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「街に根ざしたレストランを」 —— 松井さんが“下高井戸”を選んだ理由
みなさん、こんにちは! テナワンの小林です。
この連載では、テナワンが管理している物件の入居者インタビューをお届けします。
今回は下高井戸
都内有数のローカル感を残しながら、再開発が進みつつある下高井戸。
この下高井戸にテナワンが初めて所有するビルがあります。
その1階に昨年の秋、新たなレストランがオープンしました。
店主は、かつて六本木や新宿といった都心で飲食業を経験してきた松井さん。
今回は、彼がなぜこの街を選び、この場所にお店を構えることになったのかをうかがいました。
「この街で10年続けたい」——物件との出会い
松井さんが物件に求めていた条件は、駅からのアクセスと視認性。
下高井戸駅からすぐの路面1階というこの物件は、まさに理想的でした。
さらに、駅周辺の再開発計画も松井さんの背中を押しました。
「5年後、この街がもっと盛り上がるだろうという期待もありました。そうなれば、うちの店もその流れに乗れるかなと」
その言葉どおり、松井さんの視線は今だけでなく未来も見据えています。
そして何より、「10年はこの場所でやっていきたい」という長期的な覚悟が、物件選びの決定打になったそうです。
「郊外にしかない味わい」——地域との関係性
松井さんは当初、幡ヶ谷周辺でも物件を探していたとのこと。
しかし条件に合う場所が見つからず、京王線沿線に視野を広げた結果、下高井戸にたどり着きました。
「街を歩いていると、高校生や大学生が多かったり、昔ながらの商店が残っていたりして、ちょっと懐かしい雰囲気があるんですよね」
そんな土地の空気感も、出店の決め手になったと話します。都心の洗練とは一線を画す、素朴さと生活感のある街並みに魅力を感じたそうです。
「独立は、いいタイミングだった」——開業の背景
独立のきっかけについては「もともと独立願望があり、いいタイミングで会社を抜けさせてもらえた」とのこと。勤めていた店に新しい人が入るタイミングでもあり、自然な流れで独立の道へ進めたと振り返ります。
業態はイタリアンをベースにしながら、かつて経験したアジアンテイストの要素も一部取り入れており、季節の野菜や魚を使って日々メニューを進化させていくスタイル。「思いついたらすぐ変える。良いものが手に入れば、それに合わせてメニューも変えていく」と、柔軟で挑戦的な料理観がうかがえました。
「設計士との出会いも、ネットから」——店づくりへのこだわり
内装についても、松井さんのこだわりが随所に光ります。外から店内の様子が見えるガラス張りの入り口、青いタイルが印象的なキッチンなど、具体的なイメージを持って設計士と共に作り上げました。
設計は、内装屋さんとつながるマッチングサイトで見つけた方。「初対面でしたけど、こちらのイメージをうまく汲み取ってくれました」と語ります。
スケルトン状態からのスタートでしたが、「ここならこういう形が合いそう」と2パターンの配置を考えていたというあたりにも、現場経験と柔軟な発想力が垣間見えました。
「街に溶け込むお店でありたい」
最後に松井さんはこう語ってくれました。
「この店が街に根ざして、わざわざ足を運んでもらえるような場所になってくれたら嬉しいです。下高井戸はこれからもっと面白くなる街だと思っていますし、自分もその一部になれたらと思っています」
日々の営業に追われながらも、地域とのつながりを大切にし、街の未来と共に歩んでいこうとする松井さんの姿勢が印象的でした。駅前の再開発とともに、このお店もきっと下高井戸の新たな顔として育っていくことでしょう。