Loading

MENU

    TOP > 中小ビルオーナー様へ

中小ビルオーナー様へ

中小ビルの現状

中小ビルの現状

日本経済が伸び悩む中、ビジネスの中心である東京23区でも、1990年代以降、オフィスの賃料水準はほぼ一貫して下降傾向にあります。そのうえで、ビル市場の好不況により、空室率は定期的に上下しています。

昨今では、アベノミクスの始動により賃貸ビルも好調など報道されることがありますが、それは主に1フロア100坪以上の大規模ビルに限った話です。景気の回復局面では、テナントはより新しく大規模なビルへと移転していくため、古く小規模なビルほど二次、三次、四次的に空室が発生し、テナントを奪われていく現実があります。

また近年では、フロア面積の大きいビルがフロアを小さく間仕切りし、小規模なテナント誘致にも積極的になってきました。これが、中小ビルにとって新たな競合の出現となっています。
価格競争に陥ることなく、新規ビルや大規模ビルに対し、中小ビルならではの優位性を発揮していくことがますます重要になっています。

「小規模」を強みに変える逆転の発想

「小規模」を強みに変える逆転の発想

大規模ビルに比べると一般的に不利な立場に置かれやすい中小ビルですが、規模の小ささはターゲットを誤れらなければ強みと考えることもできます。現在、都内の事業所数は約770万(2016年時点)。そのうち55%は4人以下、75%は9人以下の小規模事業所が占めています。 オフィスの広さは一人あたり2~3坪が目安であり、9人であれば18~27坪程度となります。

言いかえれば、間仕切りの設置なしに、全事業所の75%のボリューム層を捉えられるのは中小ビルならではということです。

多くの場合、4人程度の事業所はスタートアップの企業か個人事業主の寄り合いです。最初からその層を狙うのであれば、それらのテナントへのメリットを打ち出した戦略が欠かせません。保証会社に入ってもらう代わりに敷金を低く設定する、シェアで使いやすい規定を設けるなどが代表例です。クリエイティブな仕事環境を求める人たちに、建物が古くても「味がある」「かっこいい」と思ってもらえるような内装を目指すことも重要でしょう。

中小ビルはニッチャーポジションで差別化!

「競争上の地位による戦略セオリーの違い」
中小ビルはニッチャーポジションで差別化!

所有ビルを客観的に評価し、「普通に戦えるビルかどうか」を判断することは非常に重要です。建物・設備が極端に古い、間取りが特殊、エレベーターがないなど、大きな負の要素を抱えた「普通には戦えないビル」は、根本的な競争のポジションを変える必要があります。

例えば、業界特化型ビルや外国人向けビル、ペット愛好家向けビルなどが考えられます。これまで非常識といわれてきたシェア(同居)OKのオフィスや、原状回復が不要なセルフリノベーション歓迎のビル、交流スペースとして屋上の開放などもありえるでしょう。従来の月極スペース貸し以外にも、時間制のコワーキングスペースとして提供するなど、課金方法も工夫できます。
オフィスビルのトレンドは、住宅のトレンドを4、5年遅れで追いかけるという現象が起きており、「人々の暮らしで今何が重視されているのか」を見据えた対策もポイントになります。

大切なのは一味違った魅力を求める特定のターゲット層にリーチすることで、万人受けを狙う必要はありません。「何か面白いことをやっている変わったビル」として独自の評価を得ていきます。「ニッチャー」と呼ばれるこのポジションは、中小ビルが単純な価格競争に巻き込まれるのを防ぐために極めて有効です。

「選ばれるビル」に向けたチューニング

テナントから選ばれ、確実に成約を得ていくためには、ビルの認知度と内見後の成約率を測りながら対策を考える「チューニング作業」が大切です。
当社では下記の4つをポイントに、実践的なリーシングマネジメントを提案しています。

1. 競合ビルの調査と、それに勝てる条件設定

競合ビルの調査と、それに勝てる条件設定

坪単価、築年数、駅からの距離、階数、耐震性など、周辺競合ビルの状況を徹底して調べ、その中で自分のビルはどういう位置にいるのかを把握します。仲介会社がいう「賃料相場」に捉われすぎず、周辺の競合ビルとどのように比較されているかを知り、それに勝てる条件設定を考えます。

2. 認知度アップのための広報

認知度アップのための広報

そもそもの問い合わせ数が少ない場合、認知度不足と考え認知度アップの対策が求められます。
より多くの仲介会社への広報や、写真の充実など物件資料を目立たせる工夫、効果的なイベントや内覧会を企画など。他のビルとは異なる、そのビルだけの魅力を十分にアピールします。

3. インターネット時代に合った募集活動

インターネット時代に合った募集活動

インターネットでの物件探しが急増する中、その特性を理解した募集が極めて重要です。
「賃料は高めに設定しておき、交渉を受けたら値下げする」という従来の手法では、検索条件に引っ掛からず検討してもらえません。 最初から掛け値なしの条件を提示し、その条件が正しく掲載されていることを定期的にチェックします。

4. 「内見映え」するビルへの商品力向上

「内見映え」するビルへの商品力向上

「内見はあるが成約に至らない」という状況が続くのであれば、ビルが「内見映え」していない可能性が高いでしょう。
古くなった内外装や設備をそのままにしておけば、他のビルと比べて大きく見劣りする原因に。エントランスや共用部をきれいにするといった簡易で低コストの改修でも、内見時のイメージアップはできます。