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小規模オフィス・事務所のレイアウトのコツを解説。限られたスペースの有効活用事例
小規模オフィスの経営者やオフィスマネージャーにとって、限られたオフィススペースをどのように活用するかは重要な課題の1つです。
手狭だからといって、オフィス移転には費用も時間も大きな負担となります。
今あるオフィスのレイアウトを見直すことで、限られたスペースでも最大限に活用できる環境を作りたい、と考えている考える方が多いのも当然のことです。
そこで、本記事では、まずはテナントの方々に向けて、小規模オフィスはレイアウトを見直しやすい3つの理由や、レイアウトのポイントやコツをご紹介します。
小規模でも生産性の高いオフィス環境を実現するための参考にしていただきたいと思います。
物件オーナーの方々も、どんな物件が好まれるかの参考として読み進めていただければと思います。
本記事の後半では、物件オーナーの方々に向けて、小規模のオフィスでもできる入居者に魅力を感じてもらえるアイデアを具体例とともにご紹介します。空室対策や入居者の満足度向上に役立てていただければと思います。
こちらの「空室対策技術集」でも詳しくご紹介しているので、オーナーの皆様はご一読いただければと思います。
そもそも小規模のオフィスとは
まず、「小規模オフィス」とは面積や規模の小さなオフィスを指す言葉で、法的な定義はありません。
ただ、それだと何の話をしているか分かりにくいと思うので、本記事における「小規模オフィスとは何か?」ら整理させていただきたいと思います。
多くの場合、「小規模オフィス」というと20坪以上50坪未満の広さを基準に考えられており、1人から最大でも6人程度の従業員が働くオフィスを指すことが多いと思います。
本記事でも同程度の広さを想定してレイアウトやオフィスの活用法をご紹介したいと思います。
実際、弊社でも同サイズのオフィスを運営していますが、こうしたサイズのオフィスは、スタートアップ企業や、大企業の支店などが利用することが多いです。
また、従業員の多い企業でもローカルビジネスの拡大のために小規模のオフィスを支社・支店として利用することはあるでしょう。
小規模オフィスでレイアウトを見直しやすい3つの理由
小規模なオフィスだからこそ、その時の仕事や働いてくれているメンバーのニーズに合わせてレイアウトを見直しやすいというメリットがあります。
広さが限られているからこそ、小回りよく、自分たちが働きやすいレイアウトを導入しやすい理由を確認していきましょう。
コストがかかりにくい
小規模オフィスでレイアウトを見直しやすい理由の一つは、コストがかかりにくいことです。
まず、小規模オフィスはスペースが限られているため、必要な資材や什器の量が少なくて済みます。例えば、壁のペイントや床材の変更、パーテーションの設置など、スペースが小さい分、使用する材料の量も少なく、費用が抑えられます。
また、レイアウト変更の際に必要な工事や設置作業も、スペースが小さいために簡単に済むことが多いです。
統一感を持たせやすい
小規模オフィスでレイアウトを見直しやすい理由の一つに、「統一感を持たせやすい」という点があります。
まず、スペースが限られているため、デザインの一貫性を保つことが容易です。壁紙や床材の選定、家具の配置や色合いなど、すべての要素を一貫したテーマやスタイルで揃えやすく、オフィス全体に統一感を持たせやすいです。
具体例として、オフィス全体をモノトーンのカラースキームで統一することを考えてみましょう。小規模オフィスでは、壁の一部をアクセントカラーにしたり、デスクや椅子、収納家具などを同じ色調で揃えたりすることが容易です。これにより、オフィス全体がスタイリッシュでまとまりのある空間になります。
個別のニーズに対応しやすい
「個別のニーズに対応しやすい」という点も小規模オフィスでレイアウトの見直しがしやすい理由です。
社員数が少ないため、意見を収集して反映させるのがスムーズです。大規模なオフィスでは、全社員の意見を取りまとめるのに時間がかかりますが、小規模オフィスでは迅速にフィードバックを集めて反映させることができます。
小規模オフィスのレイアウトを考えるときのポイント・コツ
ここでは、オフィススペースを効率的に使いたいと考えている小規模企業の経営者やオフィスマネージャーの方々に向けて、小規模オフィスをレイアウトを考えるときのポイントやコツをご紹介します。
デザインコンセプトを決める
まず、オフィスの雰囲気やイメージを決めるデザインコンセプトを明確にしましょう。デザインコンセプトは、従業員のモチベーションや企業のブランドイメージにも影響します。
例えば、スタートアップ企業ならクリエイティブでカジュアルな雰囲気、金融業界なら落ち着いた色調やシンプルなデザインが適しています。
コンセプトを決めることで、オフィス全体に統一感が生まれ、訪れる人にも良い印象を与えます。
ゾーニングを意識する
ゾーニングとは、オフィス内を用途別に区分けすることです。小規模オフィスでは、限られたスペースを有効に活用するためにゾーニングが重要なポイントとなります。
作業エリアとリラックスエリアを明確に分け、デスクやオフィスチェアを配置した作業エリアと、ソファや休憩用の椅子を置いたリラックスエリアを設けます。
また、ミーティングスペースや電話ブースなど、特定の用途に応じたスペースを設けることで業務の効率化が図れます。
空間を広く見せる工夫をする
小規模オフィスの限られたスペースを広く見せるためには視覚的な工夫が必要です。明るい色の壁や床を選ぶと空間が広く感じられます。
例えば、ガラスのパーティションを使用すると、視線が遮られず、オフィス全体が一体感のある広々とした印象になります。
さらに、壁面収納や天井までの高さを利用した棚を活用することで、デスク周りをすっきりと保つことができます。
多機能スペースの活用
一つのスペースを多機能に活用することも、小規模オフィスには必要となります。
例えば、ミーティングルームを普段は作業スペースとして使用し、必要に応じて会議やプレゼンテーションの場に変える使い方です。
また、可動式の家具やパーティションを取り入れると、レイアウトを簡単に変更でき、業務内容やチームの構成に応じて柔軟にオフィスの配置を変えることができます。
小規模オフィスのレイアウトをするときの注意点
小規模オフィスのレイアウトには注意点があります。
ここでは、小規模オフィスのレイアウトをするときの注意すべきポイントについてご紹介していきます。
動線の確保
小規模オフィスではスペースが限られていますが、ストレスのない動線を確保しましょう。通路幅を適切に保つことで、従業員同士がぶつかることなく移動でき、作業の流れがスムーズになります。
動線を確保するために、什器は最小限にしたほうがいいかもしれません。また通路を確保することも考えて、什器の大きさを決めると良いでしょう。
また、プリンターやコピー機などの共用設備は、全員がアクセスしやすい中央付近に配置すると便利です。
さらに、緊急時の避難経路も考慮し、くれぐれも経路をふさがないようにしましょう。
収納スペースの確保
小規模オフィスが限られたスペースを効率的に使うためには、適切な収納スペースの確保が欠かせません。書類や備品が散らかっていると、オフィス全体が狭く感じられ、作業効率が低下します。
デスク下の引き出しや壁面収納、可動式の収納棚などを活用することで、デスク周りをすっきりと保ち、余計な情報が目に入ってこないようにすることで集中力が増すと言われています。
脳は目から入ってきた情報を無意識でも処理しています。デスクの上や横の不要な資料や物は、「これは必要/不要」と脳が無意識に処理することで、本来は作業に向けるべき集中力を分散させてしまうことにもなります。
収納スペースの確保にも限界がある場合は、ペーパーレス化等、そもそもオフィスに置いている資料や物の量を減らすことも考えてみると良いです。
防音対策
小規模オフィスでは、防音対策も重要となります。オフィスのスペースが限られているため、周りの電話や会話の音が気になり、集中力が削がれることがあります。
実際に横で仕事の相談をされていると、思った以上に集中力がそがれてしまう体験をしたことがある人も多いのではないでしょうか?
必要に応じてパーティションや吸音パネルを設置することで、音の拡散を防ぎ、各従業員が集中して作業できる環境を確保しましょう。
また、会議室や電話ブースなど、外部の音を遮断するスペースを設けることも有効です。
小規模オフィス向けのデスクレイアウト
小規模オフィスでは、限られたスペースを活用して、快適で効率的な作業環境を整えることが重要となります。
適切なデスクレイアウトを選ぶことで、社員同士のコミュニケーションが円滑になり、業務の効率化を図ることができます。
ここでは、小規模オフィスに最適な「アイランドスタイル」、「背面対向スタイル」、「ブーススタイル」の3つのデスクレイアウトをご紹介します。それぞれのスタイルの特徴とメリット、デメリットを理解し、自分のオフィスに最適なレイアウトを見つけましょう。
アイランドスタイル
小規模オフィス向けのデスクレイアウトの一つに、アイランドスタイルがあります。これは、デスクを小さな島のようにまとめて配置するレイアウトです。
このレイアウトでは、複数のデスクをグループとして互いに向かい合わせて配置します。そのため、対向式レイアウトとも呼ばれます。
アイランドスタイルのメリットは、社員同士のコミュニケーションが取りやすいことです。情報共有がスムーズにでき、チームでの協力がしやすくなるため、同じプロジェクトに携わる社員を配置して、グループでの連携を強めることができます。
しかし、デスクが近接しているためプライバシーが保たれにくく、会話が筒抜けになりやすいデメリットがあります。そのため、低いパーティション(ローパーティション)を使って視線を遮ることが効果的です。ローパーティションを使用することで、コミュニケーションを維持しながら視線を遮ることができます。
集中して作業したい場合や、周囲に聞かれたくない相談をする場合には、別のスペースが必要になります。例えば、SPACEEなどの貸し会議室サービスを利用するのも一つの方法です。安価なところでは1時間ワンコインから利用でき、カフェ感覚で気軽に使えます。
背面対向スタイル
背面対向スタイルは、デスクを背中合わせに配置するレイアウトです。デスクを両側の壁につけて設置し、中央の通路を挟んで背中合わせに座ります。
このレイアウトのメリットは、席に着いたときに目の前が壁なので、集中して作業しやすいことです。また、隣に座っている人にすぐに相談できるメリットもあります。中央の通路を利用することで、小規模オフィスでも効率的にスペースを活用できます。
デメリットとしては、後ろを通る人が気になって集中力がそがれる可能性があることです。また、通路が狭いと椅子を引く際に後ろの人とぶつかるかもしれません。そのため、背面対向スタイルを取り入れる際には、通路の幅を十分に確保することが重要です。
ブーススタイル
ブーススタイルは、各作業スペースを仕切りで区切るレイアウトです。小規模オフィスで周りの視線や騒音が気になるときや、集中して作業をしたいときに便利です。
オフィスの一部にブーススタイルのデスクを設けることで、静かで落ち着いた作業環境を確保できます。
限られたスペースを活用する!小規模オフィスのレイアウト事例
小規模オフィスのレイアウトを考えるとき、スペースの問題が課題になります。どうしたら限られたスペースを有効に使えるのでしょうか。
ここでは、限られたスペースを活用するアイディアを、具体的な事例とともにご紹介します。
グリーンで空間を区切る
小規模オフィスでは、仕切り方を工夫することで限られたスペースを最大限に活用できます。そこでおすすめしたいのが、観葉植物を使った仕切りというアイデアです。
観葉植物でスペースを区切ると、視覚的な広がりを感じさせる効果があります。植物は透明感があり、視界を完全に遮らないため、オフィス全体が広く見えます。特に小規模オフィスでは、圧迫感を軽減できる点が大きなメリットです。
具体的には、サンスベリアやポトスなどの観葉植物がオフィス環境に適しています。これらの植物はメンテナンスが簡単で、空気清浄効果も高いです。サンスベリアは夜間に酸素を放出し、オフィスの空気質を改善するのに役立ちます。また、ポトスは耐陰性が強く、日当たりが悪い場所でも元気に育ちます。
さらに、観葉植物を使った仕切りは柔軟性があります。必要に応じて簡単に配置を変えられるため、オフィスのレイアウトを変更する際にも便利です。これは、スタートアップ企業などでプロジェクトの変化に迅速かつ柔軟に対応するのに非常に役立ちます。たとえば、チームの人数が増減する際には、植物の配置を調整するだけで新しいワークスペースを簡単に作り出せます。
また、観葉植物にはリラックス効果や空気質の改善効果もあります。このように、小規模オフィスに観葉植物を取り入れることで、スペースの有効活用、視覚的な広がり、柔軟なレイアウト変更、そして健康面でのメリットを同時に享受できます。
天井までの本棚
天井までの本棚は、小規模オフィスのスペースを有効に活用するための優れた手段です。床から天井までの高さをすべて収納スペースとして利用できるため、縦の空間を無駄なく使うことができます。これにより、多くの資料や書類、オフィス用品を整理整頓でき、デスク周りがすっきりし、作業効率の向上も期待できます。
また、天井までの本棚はオフィス内の仕切りとして使うこともできます。本棚でエリアを分けつつ収納もできるため、一石二鳥の効果があります。
一方で、天井までの本棚を活用する際にはいくつかの注意点もあります。まず、上部の収納スペースに手が届きにくいため、頻繁に使用する物を収納するには不便です。このため、上部にはあまり使用しないアイテムを配置するなど、収納の工夫が必要です。
また、本棚を固定する際には安全面にも注意が必要です。地震などの災害時に本棚が倒れないよう、しっかりと固定しましょう。また、本棚の上部に重い物を置きすぎると、バランスが崩れて危険な場合がありますので、適切な配置を心掛けてください。
間仕切り壁をビニールに
間仕切り壁の代わりにビニールカーテンを使ってオフィス空間を仕切る方法があります。
壁の代わりにビニールカーテンを使用すると、空間が圧迫されません。ビニールは透け感があり、自然光を妨げないため、オフィス全体を明るい雰囲気に保つことができます。視界を遮らないので、小規模オフィスでも空間を広く見せる効果があります。
さらに、ビニールカーテンは壁を設置するよりもコストが安いというメリットもあります。
小規模オフィスでスペースが足りないなら
企業の成長とともに、オフィススペースが不足することはよくある問題です。オフィスの拡張は一つの解決策ですが、まとまったコストと時間がかかります。
そこで、より柔軟でコスト効果の高い方法として、外部の会議室をレンタルするか、シェアオフィスを利用することを検討してみてください。
会議室をレンタルする
小規模オフィスでスペースが足りない場合、「SPACEE」というサービスで会議室を借りる方法があります。
SPACEEは、簡単に会議室を予約できるプラットフォームです。検索・予約は簡単ですし、支払いもオンラインで完了できるため、手間がかかりません。
SPACEEの魅力的なところは、バラエティ豊かな会議室が揃っているところです。少人数用のミーティングルームから、大人数収容可能なホールまで、様々なニーズに対応しています。また、各会議室にはプロジェクターやホワイトボードなどの設備も完備されているため、快適に会議を進めることができます。
シェアオフィスを検討する
小規模オフィスでスペースが足りない場合、シェアオフィスへの入居を検討してもいいかもしれません。
シェアオフィスとは、複数の企業が共同で利用するオフィススペースのことです。専用スペースを確保しつつ、ラウンジやカフェスペース、会議室などの共用施設を利用できるのが魅力です。
必要最低限のスペースだけを専有して賃貸契約し、必要に応じて共用スペースを利用できるため、コストを抑えることができます。たとえば、会議のときだけ共用の会議室を利用することで、普段はコンパクトな専用スペースを使い、費用を節約できます。
また、シェアオフィスによっては、デスクやオフィスチェアなどの設備が付帯されていることもあります。その場合は、オフィス設備のための初期投資を抑えることもできます。
シェアオフィスの魅力は何といっても他テナントとの交流です。弊社(テナワン社)もシェアオフィスに入居していますが、イベントを通じて他テナントと交流を楽しんでいます。
他のテナントとの雑談から新しいビジネスのヒントを見つけたり、新しいビジネスチャンスやコラボレーションの機会を得たりすることができます。このようなイノベーションの可能性が、シェアオフィスにはあります。
小規模なオフィスでも活用法を提示して入居してもらいやすくするアイディア
ここでは、物件オーナーの方々むけに、小規模オフィスを魅力的にし、空室を埋めやすい物件にするためのアイデアをご紹介します。テナントの視点に立ち、どうすれば借りてもらいやすい物件になるのかを考える参考にしていただければと思います。
弊社で取り扱った物件の事例をご紹介するとともに、テナントに選ばれる物件作りのヒントをお伝えします。
共有貸し会議室
まずは、管理室を共有貸し会議室として活用し、成約に繋がった事例をご紹介します。
品川区のある物件では、使っていなかった管理室を貸し会議室に転用することで、問い合わせが増加し、成約に至りました。具体的には、6人がけの会議テーブルやホワイトボードを備えた会議室に改装し、必要な備品を家具量販店や通販で揃えることで、コストを抑えた改装が可能でした。
小規模オフィスでは専用の会議室を確保するのが難しいことが多いです。ビル内にデッドスペースはありませんか? 共有貸し会議室を1つ設置することで、空きスペースを有効活用できます。共有スペースの導入により、ビル全体の利便性が向上し、テナントの満足度も高まります。
さらに、共有スペースの貸し借りによってテナント同士のコミュニケーションが促進されると、ビジネス上の交流や協力が生まれやすくなります。こうした交流があると、テナントはその場所に愛着を持ち、ビジネス上の利点も感じるため、結果として長く入居してくれる傾向があります。
黒板塗装の壁
次に、黒板塗装の壁を導入した事例をご紹介します。このアイデアは、壁を黒板塗装にすることで、チョークで自由に書き込めるようにするものです。これにより、オフィス内に遊び心が加わり、クリエイティブな雰囲気を作り出します。
壁を黒板塗装にしたオフィスは珍しいため、他の物件と差別化することができます。このユニークな特徴で、テナントの目を引くことができます。
黒板塗装の壁は、会議やブレインストーミングの場面で、アイデアを書き出すスペースとして活用できます。見た目がユニークなだけでなく、実際に役立つのが魅力と言えるでしょう。チームメンバーが自由に意見を交換し、視覚的に情報を共有することができるため、打ち合わせスペースとしても効果的です。
特に小規模な会社にとって、黒板塗装の壁は限られたスペースを有効に活用するための優れた方法と言えるでしょう。
他と差別化する
中小ビル、特に築古のビルをお持ちの場合、建替えや大規模改修といった大きな追加投資はなかなか難しいですよね。新築ビルに比べると、ハード面で競争するのは難しく、値下げを余儀なくされ、少ない入居者を奪い合う厳しい状況に陥りがちです。
そこで、大きなビルには真似できない方法で差別化することが重要となります。
例えば、オーナー主催のBBQパーティーを屋上で開催したり、テナントと家族ぐるみで交流し、経営相談にものったりすることで、オーナーの人間力を活かした独自の魅力を出しているビルがあります。こうした温かみのある対応は、大型ビルのサラリーマン管理者には難しいですよね。
また、ペットOKや友達とのシェアOK、原状回復不要の改装許可など、普通のビルが嫌がるような使い方を許容することも他との差別化には有効です。ただし、運営上のトラブルを避ける手立てはしっかりと講じる必要があります。
さらに、与信力のないスタートアップ企業や外国籍の人たちにも門戸を開くなど、多様なニーズに応えることも一つの戦略です。これまでの競争ルール(立地や建物の新しさでビルの価値が決まるルール)から抜け出し、他の物件にはない付加価値をつけて貸し出すことが重要です。
例えば、意匠系の建築士と構造設計家、施工業者がシェアするスペースや、靴やアクセサリーを作るクリエイターが音を出せる場所など、特定のニーズに応じたスペースを提供することも考えられます。
「仕事中もペットと一緒にいたい」「外国籍でオフィスを借りにくい」「好きな内装に変えたいけど原状回復の費用が心配」「ミニパーティーができるキッチンスペースがほしい」「自転車通勤でバイクラックとシャワーがほしい」など、働く場所についての細かなニーズは実にさまざまです。ちなみに、これらのニーズは過去に弊社に実際に寄せられたものです。
これらのニーズに応じた場所を提供することで、テナントは喜んで入居してくれるでしょう。多少不便な場所であったり、ビルが古くても、他にない魅力を提供できれば、従来の競争とは無縁の新しい価値を見出すことができるのです。
ぜひ、中小ビルのオーナーの皆さんも、こうした工夫を取り入れて、他ビルと差別化してみてください。他にはない独自の魅力を提供することで、きっと多くのテナントがあなたのビルに魅力を感じるはずです。
小規模オフィスの空室対策はご相談ください
この記事では、小規模オフィスのレイアウトについて詳しくご紹介してきました。限られたスペースを有効活用し、快適で生産性の高いオフィス環境を作るための具体的なポイントやコツがおわかりになったのではないでしょうか。
テナントの皆様には、これらの情報を参考にして、オフィスのレイアウトを工夫し、より良いオフィス環境を整えていただければと思います。
また、物件オーナーの方々には、小規模オフィス向けの物件を魅力的に見せるアイディアをお伝えしました。これにより、空室対策や入居者の満足度向上に役立てていただけることでしょう。
さらに、物件の改善方法や空室を埋めるための戦略について具体的に知りたい場合は、ぜひ気軽にお問い合わせください。お持ちの物件をどのように再活用するかについての具体的なアイディアをお伝えいたします。
この記事が皆様のオフィスレイアウトの改善や物件の魅力向上に役立つことを願っています。限られたスペースを最大限に活用し、快適で生産的なオフィス環境を実現してください。
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