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まちづくりはビル再生から始まる_80 オーナーのメンタリティ
まちづくりはビル再生から始まる_80
オーナーのメンタリティ
Xmasの夜に書き始めちゃった、ちょっと深いハナシの続き・・。
(ちなみに写真は先日の忘年会で行った「ちゃんこ増位山」さんでの写真です。元稽古部屋のちゃんこ屋さん、強力オススメです笑)
かと思えば、「じゃ、十分に安くてもよければ僕らが投資するので、まず借り上げましょうか?」という話は意外に喜ばれます。投資リターンの計算上は、僕らの利益とリスクプレミアムの分だけ賃料が安くなるので、オーナー自身で回収した方が儲かることは自明なんですが、やはりそういう判断はあまりしない。
現状のまま、確実にお金が入ってくることの方が嬉しいということですよね。何かの経済心理学の本でそういうメンタリティの解説を読んだような気がしますが、やはりこの辺は感情で判断される領域だってことだと思います。
「安くてもよければ借りましょう」だと、要は分かりやすい解決だし、(自分でお金かけるよりは)確実ですよね。もっと儲かるかもしれないけど不確実(そうでもないんですけどね・・)なことよりも、こういう「分かりやすく問題が解決されること」もとても大切なんだってことは、僕らも常に意識しないといけなそうです。
そういえばよく、「鉄の階段はサビる前に塗らないと却ってソンしますよ」とか、「この空調、いい加減更新しないと壊れたらテナント出てっちゃいますよ」みたいな(僕らからすると良心的だと思っていた)提案って、言えば言うほどオーナーを不機嫌にさせてたなあ、と思い出されます。これらも、例え長期的には費用が膨らんでも、日々の賃料収入の範囲でできる小さな補修とかを小まめに提案してあげた方が気分的に受け入れやすいってことですよね。
ちなみに、法人オーナーで専門の担当者がいるような場合は全く違う判断をされます。むしろ予防保全的に修繕して、トラブルを未然に回避したり長期で見て安く済む方が喜ばれます。感情でなく計算で判断するからでしょうね。
オーナーに満足してもらえるサービスを考えるにあたっては、メンタリティの問題はとても重要なファクターだと言えそうです。これについては深遠なテーマなので、また別の機会に掘り下げてみようと思います。
(いったん終わり)
(石田)