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次世代の働き方とオフィスを考える_38 シェアオフィスをつくる理由

次世代の働き方とオフィスを考える_38

シェアオフィスをつくる理由

シェアオフィスの歴史

シェアオフィスという業態の歴史は古い。「レンタルオフィス」を調べると、古くは1978年にオーストラリアでサーブコープが設立されたのが始まりとされる。日本では1997年頃から登場しはじめたと言われている(wikipedia調べ)。シェアオフィスは大面積の床を分割し、受付やラウンジ、会議室を共有し、少人数の会社でも豪華な共用設備をリーズナブルに使える仕組みだ。テナントからするとAクラスビルを借りる体力がなくても、シェアなら借りることが出来るサイズまで小さくなる。また運営側からすると、貸しづらい大面積のオフィスを稼働させることができ、うまくいけば3倍程度の坪単価を稼ぐことができる。(デメリットも様々ある)

 

シェアオフィスは不動産屋のものか

こうして成長してきたシェアオフィス業界だが、大面積を小割りにして稼ぐという手法は分かりやすいため、似たような施設が一時乱立した時期もあった。タコ部屋のような安価な施設から、デザインに凝った施設、超高層ビルに入った高級な施設など様々な施設が生まれた。ただ、これは一様に賃料を稼ぐための施設であり、不動産業者が運営する賃貸物件だ。第6話でも書いたような施設側で行うイベントや交流会を開くことも、賃料を稼ぐためのサービスの一環だ。しかし最近話題になり、人気がある施設はこれまでと違い、別の業界から参入した運営者が多いようだ。

 

本当に価値があるもの

最近とくに目立つのは、IT業界からの参入だ。IT業界は、非常にすそ野の広い業界だ。ホームページ制作や運営はもちろん、システムのインフラを組んだり、デザインやコーディングといった専門職、ウェブを通じたリアルなサービスを提供する企業(AmazonやAirbnbなど)、またそうした企業に投資する投資家群。業界の歴史が浅いため、平均年齢が若く、成長スピードが早いので大変エネルギッシュな人達だ。若くして企業売却などに成功すると、その後いくつものIT企業の設立をしたり、ベンチャー企業に投資したりする人も多い。私は、IT起業家がシェアオフィスを運営するのは、賃料が目的ではなく、前述のような様々な人々の出会いなのではないかと考えている。

 

セレンディピティとは

こうした出会いは、セレンディピティと言われ、ビジネスの中でセレンディピティが起きやすい環境づくりが注目されはじめている。セレンディピティとは、素敵な偶然に出会ったり、予想外のものを発見すること。平たく言うと、ふとした偶然をきっかけに、幸運をつかみ取ることである。例えば科学の世界では、ある研究をしている時に偶然他の発見があり、後にそれがノーベル賞に繋がるような大発見だったりすることがある。ビジネスに置き換えるとこれは「出会い」のことではないだろうか。人と人との出会い、企業と企業との出会い、また日常的な会話の中から偶然生まれるイノベーションなど、複数の人が関わることで起きる幸運は大きな成功に繋がる。

 

コミュニティは金で買えない

こうした出会いや幸運は、金では買えない。前述したようなIT企業では、テナントとして入居したオフィスから方々の取引先に出向くよりも、自分が運営するシェアオフィスに仲間を募った方がはるかに効率が良い。また大家と店子の関係以上に、本業での取引関係をもち、店子の元へ集まる取引先とも関係が持てたとすると、出会いや幸運の発生確率は格段に上がる。そのコミュニティ内で起きるであろうイノベーションは、金では計れない価値だろう。

 

大家と店子が賃料以外の価値を求める時代がそこまで来ているのかもしれない。

 

(山田)

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