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まちづくりはビル再生から始まる_29 中小ビルの差別化戦略がWBSの特集に
まちづくりはビル再生から始まる_29
中小ビルの差別化戦略がWBSの特集に
こないだワールドビジネスサテライト(テレビ東京系/WBS)を見ていたら、
「独自戦略の中小ビルが人気」って特集をやってました。
おもわず「おっ!?」と見入ってしまったのですが、よく見ると中小ビルというよりも、僕らからするとかなり大型な大手不動産会社のビルが取材されていました。
特集の内容は、大型ビル(一般的にはワンフロア200坪以上)が好調な一方、中小ビルの空室率は押しなべて高どまりしている中、新たなテナントサービスで差別化している中小ビルが差別化に成功している、というものでした。
その差別化に成功しているサービスとは?
写真はイメージ 写真:JAY_MANTRI
・屋上庭園が充実。
息抜きやランチだけでなく仕事もできるよう防水コンセントも設置
・女子トイレが充実。
大きな鏡やお化粧直しもできるカウンター付き
・テナント用のラウンジを設置。
遊び心のあるソファなど、リラックスできる場を提供
・シャワーを設置。仕事の合間にリフレッシュ
・ビル内カーシェア。
などなど。
インタビューに答えていた人の「建物は古くなるけど、サービスは進化させられる」というコメントにはとても同意できます。コメンテーターの方も、「そもそも中小規模のビルの数の方が断然多い中、サービスで差別化していくことが大事だ」と解説。
うーん、確かに。その通りだと思いました。
こういう話題がWBSの特集になったってことはすごい進歩な気がします。
が、たぶんこのブログの読者の多くは違和感を感じたはず(笑
なぜなら、どれも個人オーナーの本当の小型ビルからするとマネしにくいものばかりだからです。そんな場所ないよとか、お金かかりすぎでしょ、とか。
でも、いいと思います。マネできるところからすればいいワケですし、屋上の開放や女子トイレの充実などは、かねてからこのブログでも書き続けてきたことなので、身の丈に合ったやりかたをすれば、自分なりのビル差別化は実現できます。
ただ一点、もう少し踏み込んだ中小ビルのとるべき方向性に突っ込んでもらえてたら、より面白かったんじゃないかと思いました。
共用部を外部の人にも開放して公園化しよう、というところまで話が及べば、おカネをかけなくてもできる戦略やテナントの働き方の変化の潮流など、
次世代の中小ビルのカタチが見えてくるように思います。
入居者だけ、ビル単体だけの視点より、周辺にも楽しんでもらえる、そんな
まちづくり視点のビル再生をしていきたいと改めて思った特集でした。
(石田)