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まちづくりはビル再生から始まる_11 幸福だけど住みたくない・・?
まちづくりはビル再生から始まる_11
幸福だけど住みたくない・・?
前回オススメした、HOMES総研の「Sensuous City(センシュアスシティ:官能都市)」
どうしてこの本がまちづくりとビル再生のヒントになるかというお話しです。
その前にひとつ見てほしい指標があります。法政大学が2011年に発表した県ごとに幸福度をはかったランキング。
これによれば福井県が全国トップです。ちなみに私は福井県出身なので、普段なかなか注目してもらえない福井県が注目されるニュースは素直にうれしいです。
が、ここでもうひとつ。Jタウンネットが2015年に発表した「あなたが住みたい都道府県はどこ?」というランキング。なんとこれだと全国最下位・・・。
どうしてこういうことが起きるのでしょうか?
幸福度と住みたいかどうか、ということには関係がないとも言えそうです。
幸福度を測っている指標を見てみると、生活・家族部門(出生率、未婚率等)、労働・企業部門(離職率、労働時間等)、安全・安心部門(刑法犯認知数、交通事故件数等)、医療・健康部門(平均寿命、自殺死亡者数等)の4カテゴリー、全40指標で採点し総合点でランキングしています。各指標をデジタルに集計したものでしょうからそれぞれは紛れもなく本当のことでしょう。でも、住みたいとは思ってない・・。
ここに大きな矛盾を感じませんか?
一方で、SensuousCity(官能都市)は、「官能度」という独自の指標をもとに全国134都市を対象にアンケート調査をしています。
共同体に帰属している、匿名性がある、ロマンスがある、機会がある、食文化があること、街を感じられること、自然を感じること、歩けることの8カテゴリーと、それぞれさらに4つの指標に分けた計32指標です。
例えば、共同体なら「お寺や神社にお参りをした」とか、匿名性なら「カフェやバーで 1人自分だけの時間を楽しんだ」、機会は「刺激的で面白い人達が集まるイベント、 パーティに参加した」街を感じるでは「街の風景をゆっくり眺めた」など、いずれも住んでいる人がその街どう感じているか?街を楽しんでいるか?といった感情的な質問項目ばかりです。
中にはロマンス「路上でキスをした」といった刺激的な質問(ちなみに1位は目黒区)もあり、見ているだけでもドキドキです(笑。
この官能度を共通指標にまちづくりや不動産の再生を考えていくとどうなるか?
考えただけでも楽しくなってきませんか?
(石田)