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まちづくりはビル再生から始まる_9 東日本大震災と仮住まい

まちづくりはビル再生から始まる_9
東日本大震災と仮住まい

東日本大震災からちょうど5年ですね。

あらためて被害にあわれた方、亡くなった方とその後関係者の方々にお悔やみ申し上げます。

地震発生直後に、不動産・建築の仲間が集まって
「家をなくした人にタダで入ってもらえる家を提供しよう」
という活動に参加していました。(仮住まいの輪といいます)

阪神大震災の時に仮設住宅ができるまで数か月かかった教訓をもとに、
空き家を抱えるオーナーさんに呼び掛けて提供してもらうというものです。

今でこそ空き家問題が取りざたされていますが、当時すでに700万戸を超える空室がストックされていることはあまり知られていませんでした。

「仮設住宅を作る前に余ってる空き家を活用した方が早いし快適だ」
と始めた活動でしたが、やってみると意外にも提供された部屋の方が多くて借りてくれる人を探す活動に走り回ることになりました。
(日本の大家さんも捨てたもんじゃないですね)

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当初ネット上で空き家を紹介して申し込んでもらう方法だったのですが、ある時に
「スマホからアクセスしてるけど電池が切れそうだ。充電もできない」とか、
「避難所のPCがなかなか使えなくてじっくり見れない」
という連絡をもらい、「それじゃあ」と物件情報を紙にコピーして避難所に置いてもらうべく避難所行脚したことがついこの前のようです。

まだまだ道路も橋も復旧がかなわないところも多く、ナビを頼りに車で向かっても途中で橋が落ちていて迂回を余儀なくされたり、着いたらついたで津波被害のすごさに呆然としたり・・。

いろいろな人との出会いもあって、被災された方はもちろん、地元のメディアやボランティアの人たちの話もたくさんたくさん聞きました。

「避難所から出て普通の家に住みたい。でも、親戚を置いて自分たちだけ移れない」
「自宅の合った土地がこの先どうなるかはっきりするまで気が気じゃない」
「それでも地元で働きたい。通える場所にある家はない?」
「家と情報はありがたい。でも避難所全員分ない差入れは受け取れない」

などなど、複雑な心境も含めて教えられることも多くありました。
シンプルにできることだけやって、余計なことやおしつけがましくなることは避けるべき。
そんなことも自然と学んだ気がします。

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それでも、東京や埼玉の避難所の人たちや原発事故で退去を余儀なくされた方々を中心にたくさんの人に喜んでもらえたのは救いでした。

いま、たまたま縁あって岩手の仕事で毎月通っています。
地元の皆さんは普段はまったく地震の被害のことなど話題にも出しませんが、きっと縁のある人が被害にあわれた方も多いはずです。

東北の人は強い。
でも内心そんなワケはありませんよね。
忘れないけど今をよりよく生きるしかない。前向きで人なつっこい東北の人に敬意を表しつつ、哀悼の意を表したいと思います。
(石田)

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