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まちづくりはビル再生から始まる_2 建て替えより改修!?
まちづくりはビル再生から始まる_2
建て替えより改修!?
個人オーナーの不動産活用を考える、の第2回です。
(第一回はコチラ)
床余り、賃料下落、古い建物の競争力低下、建替えによる相続税対策もアヤうい。。そんな状況下で不動産をどう活用していけばいいのでしょうか?
答えはシンプルです。
- ・今ある建物を直して稼ぐ
- ・でもやたらとお金をかけない
- ・その他大勢と競争しない
大きくはこの3つです。
「そんなことができりゃ苦労はないよっ!」
はい、おっしゃる通りです。でもこれができないと明るい明日はありません。
まずほとんどの場合、建て替えより今の建物をリノベーションして再生させる方がお得です。なぜなら、建替えるより当初にかかるお金が圧倒的に安いから。その分回収も早くなります。
建て替えで一番ツラいのは、大きい借金を抱えるので長期に安定した運営ができないとダメだという点です。しかも借金を返し終えたころには建物も古くなってしまい、さあこれから稼ぐぞ、という時にまた古い建物が手元に残っている、ということになります。
今ある建物を直して稼ぐ不動産に再生できれば最高ですよね。
次に、直すといっても新築そっくりにすればいいわけではありません。建物にお金をかける場合、大きく2つの観点が必要です。ひとつは、壊れた部分を直したり古くなった設備を今風に取り換えたり、といった「機能改善」としてのもの。いわゆる「修繕」です。
もうひとつは、より稼げる用途に変更したり、時代にあったデザインや使い方に対応するための「付加価値づけ」。最近よく言われる「リノベーション」です。
どちらが欠けてもダメですが、よく相談を受ける例で言うと「ウチのビルは壁も新しくしたしトイレもピカピカ。なのになんで埋まらないの?」というのがあります。機能改善だけしても新築ビルを超えることはできないので、結局テナント誘致に苦労する典型的な例です。
この機能改善にお金のすべてを使っても効果は知れています。以前より付加価値がつかないといつまでたっても値段競争に巻き込まれて、ツラい不動産経営を強いられることになります。やたらとお金を使えばいいというものでもないのです。
この付加価値付けも、一度やればあとはほったらかしで左うちわ!なワケはありませんから、時代時代に合わせた改修がどうしても必要になります。目安としては3年から長くても5年以内に投資額が回収できて、かつ十分に収益が見込めるものでなくては次の変化に対応できません。
ここで少し話がそれます。
個人オーナーの場合、「そんなこといっても直すカネないよ」ってことがほとんどです。せっかく不動産で稼いでも償却を超える会計上の利益にはきっちり課税されますから、使っちゃった方がいいからですよね。
で、結果建物に再投資ができなくて陳腐化が進む、という悪循環です。
でも考えてみてください。建て替えの時はドーンと借り入れしても平気なのに、なんで改修するための借金はそんなにイヤがるんですか?
「直したってテナントが入るかどうかわからないじゃねえか」
言葉には出さなくてもほぼすべてのオーナーが思っているはずです。でも僕からしたら30年ものローンを組む建て替えの方がよっぽど不安ですが・・。
要は「今苦戦してるんだから先にリスクを取りたくない」という気持ちが大きなカベになってるんですよね。
じゃあ、その他大勢の競合ビルと競争しない勝負をすればいいんじゃないでしょうか?
(石田)