Loading

MENU

    TOP > 新着情報 > コラム > 【不動産会社こぼれ話】 入口を変えて再生したビルの 1 階 が 、スケルトンから飲食店 になるまで

新着情報 / / 23
PV

一覧を見る

【不動産会社こぼれ話】 入口を変えて再生したビルの 1 階 が 、スケルトンから飲食店 になるまで

\入口を変えて再生したビルの1階が、スケルトンから飲食店になるまで/

今回は、前回「入口を変えると、ビルは生まれ変わる」でご紹介した五反田の築30年のオフィスビルの1階のその後をご紹介します。

ビルの新しいファサードのデザインが固まり、工事開始と同時に、「飲食でもサービス店舗でもOK」と募集を開始してから間もなく申込みが入り、順調な滑り出しとなりました。

ところが、工事も完了し、いつでも契約できる状態になったところで、入居予定の方の事情により、申し込みがキャンセルになってしまいました。一度キャンセルになると、その後の動きはどうしても鈍くなります。

スケルトンの状態

■ 打開策は「飲食店ウェルカム」に

それまでの募集の仕方から一歩踏み込んで、まずは飲食店を第一のターゲットにして、飲食店に強い仲介業者さんに、どんな物件に人気があるか聞いて回りました。

1つ目は立地がいいこと(駅から近い1階がベスト)、2つ目は居抜き物件というのが大きな特徴でした。立地についてはどうにも変えられませんが、居抜きは、最初に設備や内装をある程度作ることなら不可能ではありません。

この10階建てビルの1階に飲食店が入る場合に、最も大きな費用負担となる設備は、1階から屋上まで繋げる排気ダクトです。

飲食店が入りやすくするために、排気ダクトはビル側で設置してもらうことをオーナーにお願いしました。
設備を整えることで、物件の魅力がぐんと上がります。
私たちはこの変化を「知ってもらう努力」を徹底しました。
募集資料の見直しに加えて掲載するサイトを増やし、ビルの周辺を歩きながら不動産屋さんを一軒ずつ訪ねてPR。
昔ながらの足を使う営業もやりました。

 

■ 再び動き出す

すると、少しずつ問い合わせが増え、1ヶ月も経たないうちに複数の申込みが入ってきました。
その中から、都内に店舗を構える焼き鳥店の店長さんと契約することになりました。
この方にとっては、ご自分の力で開く初めての店舗となります。

既存のお店を運営しながら開店準備を進めるのは、相当に大変だったことと思います。

 

■ 工事の裏側で起きていたこと

テナント側が行なう内装工事と、オーナー側で行なう設備工事が同時に現場で進められていきます。
お互いの工事が接続する箇所があるのですが、やはり初めて関わる施工業者同士なので、行き違いも起こります。

「開けてあるはずの開口がない」「接続部分のサイズが違う」——

そういうトラブルが起きた時は、配送センターの段階からずっと監修していた建築士が中心となって、業者同士の調整を進め、ひとつひとつ丁寧に解決していただきました。

1階から屋上まで繋がる排気ダクト

内装工事の真っ最中。キッチン部分の壁の下地

■ オープンの日、思わず涙が出そうに

そして迎えたオープン当日。
誰も約束したわけでもないですが、この工事に関わった全員がそれぞれお店に足を運びました。
ランチ営業前に着いた方からは、興奮気味に電話があり、「行列ができてます!」
その声を聞いた瞬間、ホッとすると同時に胸の奥が熱くなりました。

何もなかったスケルトンの空間が、焼き鳥とワインを掛け合わせたコンセプトの素敵なお店になりました。
今でもお店の前を通るたびに、思わず足を止めて見入って、というか見惚れてしまいます。

オーナーの決断と借主さんの努力、関わった人たちの汗と工夫が重なって出来上がったお店は、関わったうちの1人である私にとってもかけがえのない存在です。

ついにオープン

左下が借主様です

タグ
関連記事