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狭いオフィスレイアウトの課題解決|ビルオーナーに知ってほしい物件価値向上のポイント
こんにちは。テナワンです。
中小ビルのオーナー様にとって、テナント企業のオフィスレイアウトは、単なるテナント側の問題ではありません。
現代のオフィスワーカーは、働きやすい環境を重視する傾向が強くなっており、オフィスの快適性が企業の採用力や定着率に直結するとされています。
そのため、ビルオーナーとして物件の魅力を高めるためには、テナント企業がレイアウトしやすい構造や設備を提供することが重要になってきています。
私たちテナワン社は、多くの中小ビル経営のコンサルティングを手がける中で、オフィスレイアウトに配慮した物件ほど高い入居率を維持する傾向があることを確認しています。
特に、スタートアップ企業やベンチャー企業は成長に伴って人員が増加するため、柔軟にレイアウト変更できる物件を求める傾向が強いとされています。
このような企業のニーズに応えられる物件は、長期的な入居継続率の向上も期待できるかもしれません。
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狭いオフィスでも効果的に使うレイアウトの基本的な考え方
オフィスレイアウトの検討には、まずゾーニングという概念が重要とされています。
ゾーニングとは、オフィス内の機能ごとにエリアを分ける考え方で、執務エリア、会議エリア、休憩エリアなどを適切に配置することを指します。
テナント企業がこのゾーニングを効果的に行えるかどうかは、ビルの構造や設備に大きく左右される部分があります。
現代のオフィスで重視される要素として、コミュニケーションの促進、集中できる環境の確保、そして働き方の多様化への対応などが挙げられます。
これらの要素を実現するためには、可動間仕切りの設置が可能な電源配置、十分な通信インフラ、適切な空調設備などが必要になる場合が多いようです。
ビルオーナーとして、これらの設備面での配慮を行うことで、テナント企業にとって魅力的な物件となる可能性があります。
レイアウト変更に配慮した物件の特徴
テナント企業がレイアウト変更を行いやすい物件には、いくつかの共通した特徴があるとされています。
まず、柱や梁の位置が影響しにくい構造であることが重要で、特に無柱空間や柱スパンが広い物件は高く評価される傾向があります。
また、電源や通信設備が柔軟に配置できるよう、フリーアクセスフロアやOAフロアが設置されていることも重要な要素とされています。
照明についても、全体照明に加えてタスク照明を追加しやすい配線計画がなされていると、テナント企業の満足度向上につながる場合があります。
さらに、将来的な人員増減に対応できるよう、空調設備の容量に余裕があることも、長期入居につながる要因の一つかもしれません。
狭いオフィスが生み出すテナント満足度への影響
中小ビルでは、限られた面積の中でテナント企業が効率的に業務を行う必要があるため、狭いオフィスで「テナントに満足してもらえるレイアウト」という課題は避けて通れない問題といえます。
狭さの感じ方は、面積だけでなく天井高、自然光の取り込み方、空間の使い方などの複合的な要因が影響します。
私たちが経営コンサルティングを行う中でも、同じ面積でも設計や設備の工夫により「広く感じられる」物件と「狭く感じられる」物件があることを確認しています。
ビルオーナーとしては、面積の制約があっても工夫次第でテナント満足度を向上させることができるかもしれません。
狭いオフィスで発生しがちな問題
狭いオフィス環境では、従業員のストレス増加、コミュニケーション不足、プライバシーの確保困難などの問題が生じやすいとされています。
特に、デスク間の距離が狭すぎることで集中しにくい環境となったり、会議スペースが不足することで業務効率が低下したりする傾向があります。
また、収納スペースの不足により書類や備品が執務スペースに溢れ、さらに狭さを感じさせる悪循環が生じる場合も少なくありません。
これらの問題は、テナント企業の離職率上昇や生産性低下につながり、最終的には退去につながるリスクがあります。
ビルオーナーとしては、こうした問題を未然に防ぐため、狭い空間でも快適に働ける環境づくりをサポートする設備や仕様を検討することが重要だと考えています。
中小ビル特有の制約と対応策
中小ビルでは、大規模ビルと比較して構造上の制約が多く、テナント企業のレイアウト自由度が限られる場合があります。
例えば、柱の配置や梁の位置によって家具の配置が制限されたり、電源容量の関係で機器の配置に制約が生じたりすることがあります。
また、エレベーターや階段の位置により、オフィス内の動線設計に影響が出る場合も考えられます。
しかし、これらの制約があっても、共用部分の活用提案や設備面での配慮により、テナント企業の満足度向上を図ることは可能とされています。
例えば、共用会議室の充実や屋上テラスの開放などにより、専有部分は狭くてもテナントが必要な機能をビル全体で提供することは可能です。
実際に私達が手がけているテイショク西麻布の物件でも共用会議室は使われていますし、屋上テラスも日常のリフレッシュや定期的なイベント開催スペースとして使っていただいています。
ビルオーナーができる狭小オフィスのレイアウト改善サポート
狭いオフィスの課題解決において、ビルオーナーがテナント企業をサポートできる領域は想像以上に幅広いものです。
単にスペースを貸すだけでなく、建物の構造や設備面での工夫により、限られた面積でも快適で機能的なオフィス環境を実現することが可能です。
私たちテナワン社では、リノベーションやサブリース事業を通じて、多くの中小ビルでテナント満足度を向上させる取り組みを行っており、その中で効果的な改善手法をいくつか確認しています。
特に重要なのは、テナント企業が入居後に柔軟なレイアウト変更を行えるよう、事前に建物側の基盤を整備しておくことです。
構造面・設備面での適切な準備により、狭小オフィスでも企業の成長や組織変更に対応できる魅力的な物件として差別化を図ることができます。
ビルの構造面と設備面から、どんなことができるかを考えてみましょう。
狭小オフィスの構造面でのレイアウトサポート
狭いオフィスでは、限られた空間を最大限活用するために、構造的な工夫が重要な役割を果たします。
間仕切り壁の撤去や変更が可能な構造にしておくことで、テナント企業のニーズに応じた柔軟な空間づくりをサポートできる場合があります。
また、天井高を有効活用できるよう、配管や配線の計画を工夫することで、空間の圧迫感を軽減する効果が期待できるかもしれません。
自然光の取り込み方についても、窓の位置や大きさを工夫することで、同じ面積でも広く感じられる空間を実現できる可能性があります。
私たちの経験では、自然光が十分に入る物件は、面積が狭くてもテナント企業から高く評価される傾向があることを確認しています。
狭小オフィスの設備面でのレイアウトサポート
現代のオフィスでは、電源や通信設備の柔軟性が非常に重要とされています。
フリーアクセスフロアの導入により、デスクレイアウトの変更に対応しやすくすることで、テナント企業の成長や組織変更に柔軟に対応できる環境を提供できます。
空調設備についても、ゾーン別の温度調整が可能な設備を導入することで、狭い空間でも快適性を向上させることができる場合があります。
照明設備は、全体照明だけでなく、タスク照明を追加しやすい配線計画を検討することが重要です。
適切な照明計画により、狭い空間でも明るく開放的な印象を与えることができ、働きやすさの向上につながる可能性があります。
以下のような改善ポイントが、テナント満足度向上に効果的とされています:
- 可動間仕切りの設置を可能にする電源・通信インフラの整備
- 収納家具の配置を考慮した壁面の補強や電源配置
- WEB会議に対応した防音・吸音対策の実施
- 共用部分の有効活用による専有面積の補完
最近はリモートワークとのハイブリッドで働く企業も多く、出社していない時は荷物を纏めて片付けておく、出社してもオンラインで気軽にMTGをしたい、といったニーズにも応えることができます。
こうしたテナントニーズへの配慮により、狭い物件でも競争力のある魅力的なオフィス環境を提供することができるかもしれません。
実際の改善事例から学ぶ効果的なアプローチ
狭いオフィスのレイアウト改善において、理論だけでなく実際の事例から学ぶことは非常に重要です。
私たちテナワン社がこれまで手がけてきた中小ビルの改善事例の中から、特に効果的だった取り組みをいくつかご紹介したいと思います。
私達は特に築古&フロア20-60坪ぐらいのオフィスビルの事例が多いのですが、元々は様々な事情で借りてが付かなかったり賃料を上げられなかった物件です。
ただ、商圏と競合を調査し、テナントニーズをもとに企画することで限られた予算と条件の中でも、工夫次第で大きな改善効果を得ることができることを伝えられたらと思います。
【事例1】エントランスの土間は自転車通勤をしたい社員が多い企業の人気物件へ
コチラの物件はもともと玄関に広い土間があった品川区の築40年を超えたビルでした。
駅からも少し離れており、周辺のビルで働く人の通勤スタイルを見てみると「自転車通勤」が非常に多い!
自転車と言っても実は様々でこだわる方は車輪の前輪だけで30-50万円のイタリア製を海外から輸入する方もいらっしゃいます。
車体も高いのですが、そういうブランド自転車はサドルやハンドルだけ盗られてしまう!なんてこともあり、駐輪にとても気を遣うんです。
もちろんそんな高級車(ここでは自転車ですが)でなくても自転車は盗難のリスクがつきものなので自転車通勤が多いなら、この土間スペースを自転車を置けるラックと共に室内の駐輪場にしたことがあります。
大事なのは商圏とそこでオフィスを必要とする人の働き方やニーズに合わせたビルのレイアウトを企画することだと考えています。
実際に、その物件も自転車通勤をする社員さんがおおいベンチャー企業に入居いただき、長く愛用いただくことができました。
【事例2】性別に関係なく“共に働く”時代だからこそ用意したい男女別のお手洗いスペース
コチラの物件も港区の築40年を超えたビルです。駅からは近いのですが、築古の1ルームのスペースが限られたビルにありがちな「男女共同のお手洗いが1つ」でした。
男性と女性が性別に関係なく、同じように働く時代ですが「お手洗いが同じ」というのは、なかなかテナントさんに避けられてしまう理由になります。
また特に女性のニーズは丁寧に汲み取るべきだと私達は考えていて清潔感はもちろんですが「音が漏れない」「メイク直しのスペースが欲しい」等は重要な観点です。
この物件ももともとは1つの共用トイレでしたが、リノベーションの際にレイアウトを変更して男女別のお手洗いにして壁紙や水回りを綺麗に仕立て直しました。
他にも女性用のお手洗いだけ鏡を大きくして照明をつける等、ワンポイントでプチリノベをしたこともあります。
こうした事例に共通するのは、現代の働き方の変化に対応した設備投資を行っていることです。
従来のオフィス設計では想定されていなかった新しいニーズに対応することで、競合物件との差別化を図ることができる可能性があります。
ビルオーナーとしては、こうした事例を参考にしながら、自身の物件に適用できる改善策を検討することが重要かもしれません。
まとめ
狭いオフィスのレイアウト課題は、テナント企業だけでなくビルオーナーにとっても重要な経営課題です。
現代の働き方の変化により、オフィス環境への要求水準が高まっている中で、限られた面積でも魅力的な物件を提供することが、中小ビル経営の成功につながるとされています。
私たちテナワン社の経験からも、オフィスレイアウトに配慮した物件は、高い入居率と長期継続率を実現できることを確認しています。
ビルオーナーとして重要なのは、テナント企業のレイアウト変更を単に許可するだけでなく、積極的にサポートできる設備や構造を提供することです。
フリーアクセスフロアの導入、柔軟な電源・通信インフラの整備、自然光の効果的な取り込み、そして共用部分の充実など、様々なアプローチにより物件価値を向上させることができる可能性があります。
特に、狭い空間でも快適に働けるよう、構造面と設備面の両方から配慮することで、競合物件との差別化を図ることができるでしょう。
また、事例でご紹介したように、大規模な投資を行わなくても、工夫次第で大きな改善効果を得ることは可能です。
私たちテナワン社では、中小ビルオーナーの皆様が抱えるこのような課題に対し、リノベーション企画やサブリース事業を通じて、具体的な解決策をご提案しています。
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