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次世代の働き方とオフィスを考える_11 ボロッボロマンションの再生物語1
次世代の働き方とオフィスを考える_11
ボロッボロマンションの再生物語1
久しぶりに不動産再生の話を。
横浜駅から数駅の住宅街にそのマンションはあります。駅ゼロ分で立地は最高。でも建物の状態は最悪でした。
一部剥がれ落ちている外壁。あちこち剥げている塗装。屋上防水の状態も悪く何度となく漏水していて、おまけに排水管のトラブルによる水被害も。赤水もたっぷり出ます。。
このマンション、元々の地主さんが建てて一部分譲、ご自身もペントハウスに住んでいたのですが、2011年の大震災の時に「もうダメかと思うくらい揺れた。コワかった!」という事情で、仲間内数社で地主さん持分約2/3を買わせてもらったものです。
いわゆる「プロもドン引き」の不動産はこれまでもいくつも見てきましたが、「こりゃあ難易度Aだねぇ」と言いあいながら物件調査をしていたのを覚えています。
このマンションの場合、元地主さんが大半を持っていたこともあり、管理組合が存在しません。清掃やEVメンテのための管理費徴収はあったのですが、設備修繕などは元地主さんが管理費をやり繰り(恐らく自腹でも出していた)して捻出。よって修繕積立金もゼロでした。
結果としてほとんどの設備が更新されずだましだまし使われていたために、買った値段は安くても、負の遺産付きのマイナススタートの物件だったのです。
ここから約5年にわたりこのマンションの再生を手掛けることになったのですが、元地主も見捨てたそのマンションのどこに僕らは勝機を見つけたのか?
まず幸いなことに、建物の状態がかなり悪いにもかかわらず駅ゼロ分の好立地のおかげで持分の半分以上は貸せていました。空き部屋の内装も古いまま、お風呂も懐かしのバランス窯といった挑戦的なものでしたが、「賃料さえ間違わなければ立地力で貸せる」と踏んだ僕らは、貸せるミニマムの補修だけで収支計画をハジいてみました。
すると、周辺相場の2/3程度で募集しても相当なキャッシュフローがあることがわかり、「実は当面持ち続けている分には全然困らない、どころかチャリンチャリン儲かる」物件だと判断。長期戦で再生させる方針にしました。
(石田)