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まちづくりはビル再生から始まる_68 理想のオフィスビルとは何か?
まちづくりはビル再生から始まる_68
理想のオフィスビルとは何か?
当社の移転計画
当社では今、移転先を探している。人が増えて手狭になり、来客スペースを広くしたいなど月並みな理由はあるものの、本音はもっと楽しいオフィスにしたいからだ。今のオフィスは当社で2つ目の事務所だ。設立当初は、某ビルの住宅部分をオフィスとして2社でシェアしていたのだが、非常に居心地がよかった。例えばエントランスには教育されたコンシェルジュがいつでもにこやかに迎えてくれる。バルコニーにはウッドデッキが敷かれ、コンテナにローズマリーが植えられており、部屋からいつでもグリーンが見える。屋上には東京湾まで見える緑豊かな屋上庭園があり、BBQもすることができた。共用部にはラウンジや会議室があり、客を迎えることができる。私はオフィスを離れ、ノートPCを持って屋上やラウンジなど気分を変えながら仕事をしたものだ。そんなオフィスにもう一度入りたい。
テナワンの理想オフィス計画
そのビルに戻ればよい話かもしれないが、私たちの理想とは少し違う。理想はビル内のコミュニティがあること。世間話や仕事の話、毎朝の挨拶がしたい。それを実現するため、当社では仲間を募り、できればビル1棟をシェアしたいと考えている。ビルは古くて良い。場合によっては築50年を超えるようなヴィンテージ感があっても良い。1階にはカフェがあり、軽い打ち合わせやランチ、夜にはビールが飲めると良いだろう。中間階には20名ほどが入る会議室や数名で打ち合わせのできる会議室。壁は全てホワイトボードで、プロジェクターも使えるとよい。さらに上には数名の会社が入居できる個室や個人起業家やフリーランスで働く人たちの大部屋など多様性があり、心地良い音楽が流れる。芸術家やクリエイターのいるフロアがあっても良い。屋上は緑化されていて居心地が良く、エントランスや廊下には入居者が描いたアートが飾られている。ビルのどこでもWifiが使え、ノートPCやタブレット、スマートフォンでどこにいても仕事ができる。このビルはぜひ実現させたいと思っている。気持ちだけが先走り、イラストレーターに頼んで理想のビルを絵にしてしまったほどだ。
テナワンの理想オフィス計画
オフィスは次世代へ
私は実務者として、これからのビル運営はテナントの自治がキーワードになると考えている。素敵な仕事をしている会社やクリエイティブにあふれるテナントが入居しているビルは、理想的なエコシステムが築かれており、テナントコミュニティにより自治が行われている。テナントによる自由な内装はテナントコミュニティの中からその部屋に惚れた次のテナントに住み継がれていく。こうしてビルがある種のブランドとなり、非常に活気のあるビルになっている。そうした活気のあるビルを増やすことが街づくりの一歩ではないかと、確信するのだ。(おわり)
(山田)