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中小ビル100の物語 / / 1902
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#58

ダメビルのトリセツ_1

週刊ビル経営」さんの紙面上で連載していた企画ですが、一生懸命書いたので(笑)この「ビル再生100物語」シリーズでも掲載していきます。新しい話や事例も少し入れていこうかなと思っていますので、本誌をご覧になった方もぜひ。

ビル再生100の物語_58 「ダメビル」とは何か?

この「ダメビルのトリセツ」、いきなり「ダメビル」と刺激的な言葉で始まっております。
人のビルをダメ呼ばわりするお話で大変失礼いたします。。(先に謝ります・・すみません)

ちなみに、私が言う「ダメビル」とは、「集客出来ない」駄目なビルのことです。
(なので、「ボロビル」ではありません)

古いとか、立地が悪いビルではなく、むしろ立地も建物もさほど悪くないのにナゼか集客できない、そんなビルのことをいいます。

我々は、普段よくビルオーナーさんから「どうしたらテナントが入るのでしょう?」といったご相談をいただきます。

なぜ集客できないのか?これはいくつも理由がありますが、かいつまんでいうと、「見た目がダサい」「古くて汚い」「設備も整っていない」「接客が下手」が故に集客出来ないのです。

私はよくこれをお見合いパーティーに例えます。お見合いパーティーでは、参加する男女は基本見知らぬ者同士です。基本的には初めて会う人同士ですから、男女ともにそれなりに準備をして臨むものです。

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女性は無論のこと、男性だって格好良いスーツを選び、シャツも素敵なものを厳選し、ピカピカの靴を履いて外見を良くしようとするでしょう。また髪も綺麗にセットして、出来るだけ好印象を得られるよう準備するでしょう。お見合いパーティーでは初対面が命ですから、ここで失敗してしまうと次へ進めなくなるからです。

それを理解せず、「男は見てくれではない、中身だ」とばかりにヨレヨレのスーツと皺だらけのシャツを身に付け、しかも破れたジーンズにサンダル履きで、髪もぼさぼさで無精髭の体たらくでお見合いパーティー会場に現れたらどうなるでしょう。

よほどもの好きな女性でない限り、相手にされることはないでしょう。

ダメビルもこれと同じです。要するにきちんと見てくれを整えていないのです。一見されただけで、「ダサいな」「何となく汚いな」「なんかさえないな」と思われてしまう。これでは、次のステップへ進むことは不可能でしょう。

あなたのビルは相手のニーズをつかめているでしょうか?

また、よしんば初対面で女性に気に入られたとしても、さらなるステップがあります。

それは、ある意味見てくれよりも重要ですが、その女性の求めるニーズに対応出来るかです。

例えばある女性がフランス語を学んでいて、ヨーロッパ旅行が趣味でオペラ鑑賞に特に興味があるとします。あなたとしては、フランス語が話せないまでも、パリやオペラに関する気の利いた話題で盛り上げることができるでしょうか?

あるいは、とてもステキな女性が座禅が趣味で、禅の素晴らしさや効能をアツく語ってきたとします。

あなたとしてはそれを受け入れることはもちろん、禅の歴史や精神世界についての見識について語り合い、一緒に座禅を組みに行くデートの約束を取り付けられるでしょうか?

以上は極端な例ですが、最近の検討客のニーズはそのように実に多様化してきています。

たとえ話のニーズに対応するには、普段から教養や見識を身に着け、相手と会話ができるレベルのコミュニケーションを磨いておかなければいけません。

OAフロア、ウォシュレット、個別空調、インターネット接続環境などの設備のあるなしのことだけではなく、周辺で人気のランチのお店やコンビニの場所の資料を用意しておいたり、モデルレイアウトを見せられる準備をしておいたり、電気容量の増設方法やコストを予め算出しておいたりなど、普段からできるちょっとしたことはたくさんあります。

検討客のニーズは増える一方です。

そうした多様なニーズに、あなたのビルは対応出来ていますか?

(石田)

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