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築古ビルのオフィスにグリーンを置くことでテナント満足度アップ|低予算で始める実際の緑化導入事例と費用対効果を解説

こんにちは、テナワンの石田です。

先日、管理している築古ビルで、限られた予算でもオフィスのイメージをかなり改善できたので、グリーンを置く効果を御紹介したいと思います。

エントランスやテラス等に観葉植物を数鉢置いたり、共用部分にもフェイクグリーンを配置しただけなんですが、ビルを内覧に来られたテナントの方から「このビル、雰囲気がいいですね」と言っていただけたんです。

実際にかかった費用はかなり安かったのですが、「植物を置いただけなのに、こんなに印象が変わるものなのか」と、私も少し驚きがありました。

最近、築古ビルのオーナー様から「新しいビルとの差別化が難しい」「空室対策に頭を悩ませている」というご相談をよくいただきます。大規模な改修工事となると、数百万円、場合によっては数千万円の投資が必要になりますから、なかなか踏み切れないお気持ちも十分理解できます。

でも、オフィス緑化なら話は別です。

私が実際に試してみた範囲では、10万円程度の投資から始められて、思いのほか大きな効果を実感できました。もちろん、「植物を置けば万事解決」なんて甘いことは申しませんが、費用対効果を考えると、検討してみる価値はあるのではないでしょうか。

この記事では、私が実際に築古ビルで緑化を試してみた体験談と、その過程で分かった「これは効果があった」「これは失敗だった」という生の情報をお伝えしたいと思います。

数字で見る効果や、予算に応じた具体的な進め方についても触れていきますので、「うちのビルでも試してみようかな」と思っていただけるかもしれません。

築古ビルの価値向上は、決して夢物語ではありません。小さな一歩から始めてみませんか?


弊社へのお問合せはコチラからお願いいたします。都内7区を中心に、築古・小規模・様々なビルの様々なご相談に乗らせていただいています。


オフィス緑化が築古ビルにもたらす5つの効果

オフィスにグリーンを置く、というと「見た目がちょっと良くなる程度でしょ?」と思われるかもしれません。

実は、そんな単純な話だけではないんです。

私が実際に築古ビルで緑化を試してみて感じたのは、植物というのは思っている以上に「働く人の心」に影響を与えるということでした。そして、働く人が快適に感じる環境は、結果的にビル経営にも良い影響をもたらしてくれるんです。

ここでは、私の経験と調べた情報を踏まえて、オフィス緑化が築古ビルにもたらす効果を5つの視点でお話ししたいと思います。

そもそも、なぜ今オフィスに「緑」なのか?

最近、テナント候補の企業担当者さんとお話ししていて気づくのは、オフィス選びの基準が変わってきているということです。

以前なら「駅から近い」「家賃が安い」「面積が広い」といった条件が重視されていましたが、今は「従業員が気持ちよく働けるか」という視点で選ばれることが増えてきました。特にコロナ以降、「わざわざオフィスに来る意味」を問われるようになって、この傾向は強くなったように感じます。

つまり、単なる「作業する場所」ではなく、「働く人のモチベーションが上がる場所」「チームワークが生まれる場所」が求められているんです。

この流れの中で、植物の持つ「人を癒す力」「空間を和ませる力」は、築古ビルにとって大きな武器になるのではないでしょうか。スペックでは新しいビルに勝てなくても、「居心地の良さ」では勝負できるかもしれません。

オフィスにグリーンを置く効果①:働く人のストレスが科学的にも軽くなる

「植物を見るとなんとなく癒される」というのは、多くの方が経験されていると思います。でも、これって実は「なんとなく」ではなく、科学的にもちゃんと証明されているんです。

例えば、千葉大学の研究では、パソコン作業をしている人の近くに小さな観葉植物を置いただけで、ストレス反応が2〜3割も減ったという結果が出ています。また、海外の研究では、窓から緑が見える環境で働く人は、そうでない人と比べて仕事への満足度が高く、体調不良で休む回数も少ないというデータもあるそうです。

私達が管理しているビルで緑化を始めてから、テナントさんの従業員の方に「最近、オフィスの雰囲気が良くなりましたね」と声をかけていただくことが増えました。数値では測れませんが、確実に何かが変わっているのを感じています。

ストレスが軽減されれば、集中力も上がりますし、アイデアも生まれやすくなる。これは、テナント企業にとって「従業員の生産性向上」という、とても分かりやすいメリットになります。

オフィスにグリーンを置く効果②:空気がきれいになる(天然の空気清浄機効果)

これは意外に知られていないのですが、植物って実は「天然の空気清浄機」みたいな働きをしてくれるんです。

NASA(アメリカ航空宇宙局)が宇宙船内の空気をきれいに保つ研究をしていた時に発見したのですが、特定の観葉植物は、建材や機器から出る有害物質を吸収・分解してくれるそうです。また、植物が根から吸った水を葉から蒸発させる働きで、エアコンで乾燥しがちなオフィスに適度な湿度をもたらしてくれます。

出典:NASA Technical Reports Server

特に築古ビルの場合、最新の換気システムが入っていないことも多いですよね。そんな物理的な弱点を、植物の力で補えるというのは、テナントさんにとって嬉しいポイントだと思います。

実際、緑化後のビルで「なんか空気がさわやかになった気がする」と言っていただいたこともありました。気のせいではないんですね。

オフィスにグリーンを置く効果③:ビルの第一印象が劇的に変わる

ビルを見学に来られた企業の担当者が、最初に目にするのはエントランスですよね。築古ビルの場合、どうしても「古い」「暗い」「冷たい」印象を与えがちです。

でも、そこに生き生きとした植物が一つあるだけで、空間の印象は本当に変わります。「このビルのオーナーさんは、建物を大切にしているんだな」「従業員のことを考えてくれているんだな」という気持ちが伝わる、温かい雰囲気になるんです。

実際にオフィスにグリーンを置いて緑化後に内見された方の滞在時間が明らかに長くなりました。「このビル、雰囲気いいですね」「古いけど、手入れが行き届いている感じがします」といった言葉をいただく機会も増えました。

立地や家賃といった数字では表せない「このオフィスで働いたら気持ちよさそう」という印象を与えられれば、それは大きな差別化要素になります。

オフィスにグリーンを置く効果④:テナントさんが長く入居してくれる

快適な環境で働けるということは、そこで働く従業員の方々の満足度が上がるということです。従業員が「今のオフィス、いいな」と感じてくれれば、企業全体の雰囲気も良くなりますし、優秀な人材も定着しやすくなるでしょう。

そうなると、テナント企業としても「できるだけ長く、このビルで事業を続けたい」と考えるようになります。つまり、空室リスクの軽減に直結するわけです。

また、副次的な効果として、テナントさん同士のコミュニケーションが生まれることもあります。共用部の植物の話題で会話が弾んだり、オーナーが水やりをしている姿を見て「いつもありがとうございます」と声をかけてもらえたり。そんな小さなやり取りが、ビル全体の雰囲気を良くしてくれるんです。

オフィスにグリーンを置く効果⑤:大規模改修と比べて圧倒的に低コスト

最後に、オーナー様にとって一番重要な「費用対効果」のお話です。

外壁塗装や設備更新となると、数百万円から数千万円の投資が必要になります。もちろん、それらも大切な投資ですが、「効果があるかどうか分からないのに、いきなり大金は投じられない」というのが正直なところではないでしょうか。

その点、オフィス緑化は本当に始めやすいんです。極端な話、数万円の予算からでもスタートできます。効果を見ながら、テナントさんの反応を確認しながら、少しずつ規模を拡大していくことも可能です。

「何かビルを良くしたいけれど、大きな投資はちょっと…」と考えているオーナー様にとって、オフィス緑化は「リスクが低くて、それなりのリターンが期待できる」理想的な最初の一歩になるのではないでしょうか。

私達が築古オフィスビルでグリーンの導入を実践した緑化事例

オフィスエントランスのグリーンウォール導入

築30年を迎えた当ビルのエントランスは、コンクリートの無機質な印象が強く、来訪者に与える第一印象の改善が課題でした。そこで導入したのが、限られたスペースでも効果的に緑を配置できるグリーンウォールシステムです。垂直庭園技術を採用し、壁面に設置可能な小規模なグリーンディスプレイを配置しました。

選定した植物は、室内環境に適応しやすく、メンテナンスの負担が少ない品種を中心に構成。照明設備も併せて整備し、植物の生育環境を確保すると同時に、夜間でも美しい緑の演出が可能な仕組みを構築しました。設置工事は既存構造への影響を最小限に抑え、約1週間で完了。来訪者が最初に目にする空間に、自然の温かみと親しみやすさをもたらす効果的なソリューションとなりました。

オフィスのバルコニーエリアの植栽計画

従来は単なる通路として利用されていたバルコニーエリアを、緑に囲まれた憩いの空間へと変貌させるプロジェクトに取り組みました。限られた面積を最大限活用するため、大小様々なサイズの植栽ポットを効果的に配置し、立体的な緑の空間を創出しました。

テーブルと椅子を組み合わせることで、テナントや来訪者が実際に利用できる機能的なスペースとして整備。植物選定では、屋外環境に適応し、四季を通じて楽しめる品種を中心に選択しました。特にメンテナンスのしやすさを重視し、水やりや剪定作業が効率的に行える配置計画を立案。都市部の建物でありながら、自然を身近に感じられる貴重な環境を実現することができました。

オフィスにグリーンを置く総合的な効果

オフィスにグリーンを配置することで、建物全体に多面的な効果をもたらすことができました。最も顕著だったのは来訪者の印象変化で、「入りやすくなった」「雰囲気が良くなった」という声が多数寄せられ、心理的効果の大きさを実感しています。エントランスのグリーンウォールは建物の顔として機能し、無機質だった空間に温かみをもたらしてくれました。

バルコニーエリアの活用により、テナント満足度も大幅に向上。休憩スペースとしての利用頻度が高まり、テナント間のコミュニケーション促進にも寄与しています。さらに、これらの緑化により建物の付加価値が向上し、空室率の改善や賃料水準の維持という経営面でのメリットも実現。緑の存在により空気の清浄感も増し、都市部でありながら自然を感じられる環境が、築古ビルの競争力強化において有効な手段であることが証明されました。

オフィスにグリーンを置いた後の維持管理と今後の展開

緑化設備の持続的な効果を保つため、季節に応じた維持管理体制を確立しました。月2回の定期メンテナンスでは、植物の健康状態チェック、水やり、剪定作業を実施。特にグリーンウォールシステムでは、給水設備の点検と植物の入れ替えを定期的に行い、常に美しい状態を維持しています。

年間のメンテナンス費用は初期投資の約15%程度ですが、テナント満足度向上や空室率改善による収益効果を考慮すると、十分な投資対効果を実現しています。今後は他フロアへの緑化拡張も検討中で、屋上庭園の整備や共用部分へのさらなる植栽導入を計画しています。また、今回の成功事例を他の所有物件にも水平展開し、築古ビル全体のブランド価値向上を目指していく方針です。

予算別オフィス緑化プランと実際の導入手順

「緑化のメリットは分かったけれど、具体的に何から始めればいいのか、いくらかかるのか分からない」 そう思われるオーナー様も多いでしょう。ここからは、ご予算に合わせてすぐに行動に移せるよう、具体的な3つのプランをご紹介します。大切なのは、いきなり完璧を目指すのではなく、ご自身のビルの状況に合わせて、できる範囲から試してみることです。

【予算10万円未満】まずはここから!「セルフ緑化」プラン

これは、オーナー様自身で始められる、最も手軽なプランです。ホームセンターやインテリアショップ、最近ではIKEAや無印良品などでも、お洒落で管理がしやすい観葉植物や鉢を手に入れることができます。

まずは、最も人の目に付きやすく、効果を実感しやすい場所から始めてみましょう。例えば、

  • トイレの洗面台: 小さな鉢植えを一つ置くだけで、清潔感と心地よさが格段にアップします。
  • 給湯室・休憩スペース: テナントさんがホッと一息つく場所に緑があると、リフレッシュ効果が高まります。
  • 各階のエレベーターホール: 無機質になりがちな場所に、中くらいの鉢を一つ置くだけで、雰囲気が和らぎます。

このプランの目的は、まず「グリーンがある空間」の心地よさを、ご自身とテナントさんで体感し、小さな成功体験を積むことです。数千円からでも始められますので、ぜひ「最初の一歩」として試してみていただきたいです.

【予算30万円前後】共用部を彩る!「中規模緑化」プラン

もう少し本格的に、ビルの印象を大きく変えたい、と考えるなら、このプランがおすすめです。ビルの「顔」であるエントランスや、各階の廊下といった共用部を中心に、プロの力を借りて緑化を進めます。

この規模になると、レンタルグリーン業者に依頼するのもおすすめです。プロに頼むメリットは、

  • 空間に合ったデザイン提案: ビルの雰囲気に合わせて、植物の種類や鉢のデザイン、配置までトータルで提案してくれます。
  • メンテナンスの手間いらず: 水やりや剪定、枯れた場合の交換など、面倒な管理を全て任せられます。
  • 常に良い状態を維持: いつでも生き生きとしたグリーンが保たれるため、ビルのイメージダウンを防げます。

この予算であれば、エントランスにシンボルツリーとなるような大型の植物を置いたり、廊下に等間隔でグリーンを配置してリズム感を出したりと、デザイン性の高い空間演出が可能です。レンタルと購入のどちらが良いかは、初期費用と月々のメンテナンスコストを比較して、長期的な視点で判断すると良いでしょう。

【予算50万円以上】築古ビルでもオフィスの資産価値を上げる!「本格緑化」プラン

これは、緑化を単なる装飾ではなく、ビルの資産価値を明確に向上させるための「戦略的プロジェクト」と位置づけるプランです。空間デザイナーや緑化の専門家と共に、ビル全体のコンセプトに基づいた、オーダーメイドの緑化を実現します。

例えば、

  • 壁面緑化: エントランスの壁一面を緑で覆うことで、圧倒的なインパクトと個性を演出します。
  • 屋上庭園: 使われていなかった屋上を、テナント専用の庭園やリフレッシュスペースとして開放します。
  • 自動灌水システムの導入: 水やりを自動化し、管理の手間を大幅に削減します。

もちろん、大きな投資になりますが、競合ビルとの完全な差別化を図り、「あの緑豊かなビルに入居したい」と指名されるような、唯一無二の価値を創造することが可能です。日照が期待できない場所には高品質なフェイクグリーンを効果的に使うなど、本物の植物との賢い使い分けで、管理の手間とコストを最適化しながら、理想の空間を創り上げます。

 築古ビルでやりがちな緑化の失敗パターン3選

良かれと思って始めた緑化が、逆効果になってしまうこともあります。ここでは、築古ビルオーナーが陥りがちな典型的な失敗例を3つご紹介します。

  1. 統一感のない植物選び: あちこちでバラバラに植物を買い足した結果、全体の統一感がなくなり、かえって雑然とした印象を与えてしまうケースです。まずは「どんな空間にしたいか」というシンプルなコンセプトを決めることが大切です。
  2. 日照・空調を無視した植物配置: 「ここに置いたらお洒落だろう」という見た目だけで配置し、日当たりやエアコンの風が直接当たるなど、植物の生育環境を無視してしまうケース。すぐに枯れてしまい、コストが無駄になるだけでなく、枯れた植物はビルの印象を著しく損ないます。
  3. 導入後のメンテナンス体制の不在: 「置けば終わり」と考えてしまい、水やりや枯れ葉の掃除といった日々の管理を怠ってしまうケースです。手入れされていない植物は、不潔な印象を与え、虫の発生源にもなりかねません。誰が、いつ、どのように管理するのかを、導入前に必ず決めておく必要があります。

オフィスにおすすめのグリーン

「いざ緑化を始めようと思っても、どんな植物を選べばいいのか分からない」という声もよく聞きます。ここでは、具体的な植物の名前を挙げながら、選び方のポイントを解説していきます。

オフィスに置くグリーンを選ぶときの基本的な考え方

まず、植物を選ぶ上での基本的な判断基準を整理しておきましょう。

  • 本物の植物 vs フェイクグリーン: 基本的には、空気清浄効果や癒やし効果が期待できる本物の植物がおすすめです。しかし、日照が全く期待できない場所や、人の手が届きにくい高所など、管理が難しい場所には、最近の高品質なフェイクグリーンを上手に活用するのも賢い選択です。
  • 手間がかからないか: オーナー様ご自身や、ビルの清掃スタッフの方が管理する場合、水やりの頻度が少なく、病害虫に強い植物を選ぶことが、長続きの秘訣です。
  • どんな環境でも育てやすいか: オフィスは日当たりが良い場所ばかりではありません。日陰に強い「耐陰性」があるか、エアコンの風に直接当たっても大丈夫か、といった環境への耐性も重要なポイントです。
  • 見栄えが良いか: もちろん、見た目も大切です。葉の形や色、全体の樹形が、目指すオフィスの雰囲気に合っているか、空間のアクセントになるかを考えながら選びましょう。

 具体的なおすすめ植物(ポトス、モンステラ、パキラ、アルテシマ)

上記のポイントを踏まえ、オフィス環境でも育てやすく、見た目もお洒落な人気の観葉植物を4つご紹介します。

  • ① ポトス: 「観葉植物の定番」とも言えるポトスは、何と言ってもその育てやすさが魅力です。日陰に非常に強く、乾燥にもある程度耐えられるため、ビルの廊下や給湯室など、少し環境が厳しい場所でも元気に育ってくれます。つる性の植物なので、棚の上から垂らしたり、ハンギングで吊るしたりと、飾り方のバリエーションが豊富なのも嬉しいポイントです。
  • ② モンステラ: 大きな切れ込みの入った葉が特徴的で、置くだけで南国リゾートのような雰囲気を出してくれる人気の植物です。こちらも比較的日陰に強く、インテリア性が高いため、エントランスや休憩スペースの主役になります。葉にホコリが溜まりやすいので、時々濡れた布で拭いてあげると、美しい状態を保てます。
  • ③ パキラ: 「発財樹」とも呼ばれ、縁起の良い植物として知られています。生命力が非常に強く、乾燥にも強いため、初心者でも安心して育てられます。すっと伸びた幹と、手を広げたような葉のバランスが美しく、どんな空間にも馴染みやすいのが特徴です。比較的小さな鉢から、人の背丈を超える大きなものまでサイズも豊富です。
  • ④ アルテシマ: 明るいライムグリーンの葉に不規則な模様が入る、ゴムの木の仲間です。空間をパッと明るく見せてくれる効果があり、デザイン性の高いオフィスとの相性は抜群です。比較的日光を好みますが、耐陰性もあるため、窓際などの明るい室内であれば問題なく育ちます。曲がりのある個性的な樹形のものを選ぶと、それだけでアートのような存在感を放ちます。

 オフィスへのグリーンの取り入れ方 具体例

さて、お気に入りのグリーンを選んだら、次はどうやってオフィスに取り入れるか、です。ただ床に置くだけでなく、少し工夫するだけで空間の印象は大きく変わります。ここでは、すぐに真似できる具体的な飾り方のアイデアをご紹介します。

 基本の「鉢植えを飾る」

最も手軽で基本的な取り入れ方です。ポイントは「鉢のデザイン」にこだわること。植物だけでなく、鉢もインテリアの重要な要素です。シンプルな白い陶器鉢は清潔感があり、どんな空間にも合いますし、モルタル調の鉢ならインダストリアルでクールな印象になります。空間のコンセプトに合わせて鉢を選ぶだけで、ぐっと洗練された雰囲気になります。床に直接置く大型の鉢だけでなく、デスクや棚の上に置ける小さな鉢も組み合わせると、空間にメリハリが生まれます。

空間に立体感を生む「上から吊るす」

ポトスのようなつる性の植物は、ハンギングプランターを使って天井や壁際の高い位置から吊るすのがおすすめです。床面積を取らずに緑を取り入れられるので、狭いスペースにも有効です。また、人の目線より高い位置に緑があることで、視線が自然と上に誘導され、空間全体が広く、開放的に感じられる効果もあります。廊下や窓際にいくつか吊るすだけで、お洒落なカフェのような雰囲気を演出できます。

 機能とデザインを両立する「間仕切りとして使う」

背の高い植物や、プランターボックスをいくつか並べることで、空間をゆるやかに仕切る「緑のパーテーション」として活用するアイデアです。圧迫感のある壁やパネルで仕切るのとは違い、視線は適度に遮りつつも、空間の繋がりは感じられる、心地よいゾーニングが可能になります。例えば、ワークスペースと休憩スペースの間に配置するだけで、それぞれのエリアの独立性を高めつつ、オフィス全体に一体感と潤いをもたらすことができます。

アートのように楽しむ「壁に飾る」

最近では、壁に掛けるタイプのプランターや、小さな植物をフレームに入れて飾る「グリーンフレーム」など、壁面を飾るためのアイテムも充実しています。絵画やポスターを飾るように、グリーンを壁のアクセントとして取り入れることで、空間が一気に華やぎます。特に殺風景になりがちな廊下の壁や、エントランスの正面などに飾ると、効果的に人の視線を集め、ビルの個性を際立たせることができます。


弊社ではビルを「ビルの空室を借上げ、オーナー様の費用負担ゼロで改修」というサービスを提供させていただいています。もしご興味いただけるようでしたら気軽にお問合せください。


オフィスにグリーンを取り入れる際のポイント

最後に、実際に緑化を導入する際に、失敗しないための最終チェック項目を3つのポイントにまとめました。この3つを事前に押さえておくだけで、スムーズに、そして効果的に緑化を進めることができるはずです。

ポイント①:配置計画を念入りに立てる

「どこに、何を、どのように置くか」という配置計画は、緑化の成否を分ける最も重要な要素です。見た目のお洒落さだけでなく、人の動線を邪魔しないか、日当たりや風通しは植物に適しているか、エアコンの風が直接当たらないか、といった点を必ず確認しましょう。簡単な手書きの図面でも良いので、ビル全体のどこに緑を置くと効果的か、事前にシミュレーションしてみることが大切です。

ポイント②:メンテナンスのコストを考える

初期費用だけでなく、その後の維持管理にどれくらいのコストと手間がかかるのかを、事前に把握しておくことが重要です。セルフで管理する場合は、誰が、いつ、水やりや掃除をするのか。レンタル業者に頼む場合は、契約内容にどこまでのサービスが含まれているのか(枯れた場合の交換保証、病害虫対策など)。長期的な視点で、無理のない管理計画を立てましょう。

ポイント③:ビル管理会社や他のテナントへの確認を忘れずに

特に共用部にグリーンを置く場合は、事前の確認と相談を忘れないようにしましょう。オーナービルであっても、管理を委託している場合は、管理会社のルールを確認する必要があります。また、避難経路の妨げにならないか、といった消防法の観点からのチェックも必要です。他のテナントさんがいる場合は、「共用部にグリーンを置こうと思うのですが、どう思いますか?」と一言声をかけるだけで、その後の協力体制が全く違ってきます。

まとめ

ここまで、築古ビルにおけるオフィス緑化の効果から、具体的な実践方法まで、詳しくお話ししてきました。いかがでしたでしょうか。

この記事で、私が一番お伝えしたかったこと。それは、オフィス緑化は単なる「飾り」や「流行り」ではない、ということです。 それは、築古ビルが抱える様々な課題を、比較的少ない投資で解決し、新たな価値を生み出すための、極めて有効な「戦略的投資」なのです。

科学的にも証明された、働く人の心と体を癒す力。 古びた空間の印象を、一瞬で刷新する視覚的な力。 そして、テナントに長く愛され、安定した経営に繋げる、関係性を育む力。

これだけのポテンシャルを秘めていながら、大規模な改修と違って、少ない予算からでも、明日からでも始められるのが、緑化の最大の魅力です。

完璧な計画を立ててから、と考える必要はありません。 まずは、ご自身のビルに、小さな鉢植えを一つ、試しに置いてみることから始めてみませんか?

そのささやかな一歩が、あなたのビルの未来を、そしてビル経営そのものを、大きく変えるきっかけになるかもしれません。もし、ご自身のビルで何から始めたら良いか迷われたら、いつでも私たちにご相談ください。あなたのビルの新たな可能性を、一緒に考えていけるパートナーになれたら、これほど嬉しいことはありません。

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