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次世代の働き方とオフィスを考える_15 オフィスの生産性について
どんな環境だったら仕事しやすいか? 前回は「なんで会社では集中できないんだろう?」って視点で考えてみました。今回は、会社っていうかオフィスの中がどうなってればより快適なんだろう?って視点で考えてみたいと思います。
ハーバードビジネスレビューの2015年3月号で「オフィスの生産性」って特集をやってました。コレなかなか面白くて、漠然としたテーマに対して超科学的にアプローチしています。
面白かったのは、経営コンサルの人たちが書いてる「仕事場の価値は多様な出会いにある」って論文で、一言で言うと「組織内外での、知識労働者の偶然の出会いや予定外の交流(衝突)が発生することで、パフォーマンスが向上する」んだそうです。
いわゆるオフィス改革って、これまで様々な説やその時々の流行りなど、試行錯誤の繰り返しでしたよね。かつては学校の職員室に代表される「マネジメント単位ごとの島」型に机を配置してお誕生日席に上長が座ってましたが、これはマネジメント上の効率性を優先した環境だったと思います。
最近だとカフェスペース設けたり、固定の席を決めないオープンシートにしてみたり、コミュニケーション重視のオフィスが流行りのようですが、論文では「デスクが固定されていなければ、グループを超えて社員が交流する機会も増えるはずである」との仮説を一部否定しています。
とある会社の各社員の物理的な交流と活力レベルを科学的に測定(方法は割愛します。ご興味あればぜひ本文を)した結果、物理的な交流(知らない社員と鉢合わせするとか)が増えたのに、活力レベル(コミュニケーション)は低下していました。フリーシートなので一旦その日自分の座る場所を決めた後、そこを離れる人が少なかったそうで、チームのコミュニケーションははっきり減っていたんだそうです。
考えてみりゃそりゃそうかも。形だけ変えても人と交流するって心理的ハードルありますしね。よくカフェに逃げて仕事してる自分も、知らない人と物理的に接触してはいますけど交流してるわけではありませんし。
一方で、「交流そのものに我々が思うよりもはるかに大きな価値がある」とも言っています。これは、誰かだけが効率的に仕事していても、ナレッジ共有もなければ創造性も刺激されないので全体の最適は起こらないからです。
さらに興味深かったのは、「物理的な距離とコミュニケーションの頻度には強力な総肝管毛がある」というトーマス・アレンさんの研究結果。物理的に近い人同士ほど密に交流するってことなんですが、これはメールとかデジタルツールが普及している現在もこの法則はあてはまっていて、対面・デジタルどちらのコミュニケーションもアレン曲線に従うようです。
(石田)