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スケルトンオフィスとは?セットアップオフィスとの違いとビルオーナーに知ってほしい空室対策に向けた選択方法

こんにちは。テナワンです。

最近、ビルオーナー様から「築古ビルの空室をスケルトンにして募集すれば、内装費をかけずに貸せそうなのですが、実際はどうでしょうか」というご相談をよくいただきます。

確かに、建築費高騰や働き方の多様化により、企業のオフィスニーズは大きく変化しています。コストを抑えながら自社らしいオフィス空間を求める企業様が増える一方で、ビルオーナー様もリノベーション費用を抑えて収益を確保したいとお考えの場面が多いようです。

そこで今回は、スケルトンオフィスとセットアップオフィスの特徴や違いについて詳しく解説したいと思います。
それでは詳しく見ていきましょう。


弊社へのお問合せはコチラからお願いいたします。都内7区を中心に、築古・小規模・様々なビルの様々なご相談に“無料”で乗らせていただいています。

スケルトンオフィス vs セットアップオフィス:築古ビル空室対策の現実的な選択肢

スケルトンオフィスとは何か?基本的な特徴を解説

スケルトンオフィスとは、天井や床、壁などの内装が一切なく、建物の骨組みや躯体だけの状態になっているオフィス物件のことです。
文字通り「骨組み(スケルトン)」だけの状態で、コンクリートの躯体や配管、電気設備の基本部分のみが残された物件です。

私たちが日頃から接しているビルオーナー様の中にも、築古物件の空室対策として「スケルトンにして安く貸し出せば借り手がつくのでは」とお考えになる方が多くいらっしゃいます。
確かに、内装工事費を抑えることができるため、家賃を下げることも可能かもしれません。

しかし実際のところ、スケルトンオフィスには独特の特徴があり、どのような企業にもマッチするとは限らないのが現状です。

スケルトンオフィスの基本的な構造

スケルトンオフィスの基本構造としては、建物の躯体部分である鉄筋コンクリート造や鉄骨造の骨組みに加えて、電気の幹線や給排水の基本配管、消防設備の基本部分など最低限の設備が残されています。

ただし、照明器具や空調設備、間仕切り壁、床材、天井材などは一切取り付けられておらず、入居企業が実際にオフィスとして使用するためには、これらすべてを一から設計・施工する必要があります。

店舗物件との共通点

スケルトンオフィスは、飲食店や小売店などの店舗物件に多く見られる形態と同様です。
店舗の場合、テナントごとに業種や営業スタイルが大きく異なるため、内装を自由にカスタマイズできるスケルトン状態での貸し出しが一般的とされています。

オフィス物件においても、企業の業種や働き方、ブランディング戦略によって求められる空間は大きく異なります。
そのため、自由度の高いスケルトンオフィスに注目する企業が増えているのも事実です。

原状回復の考え方

スケルトンオフィスを借りる場合、重要なポイントが原状回復義務です。
退去時には、入居時と同じスケルトンの状態に戻す必要があります。
つまり、入居時に施工したすべての内装や設備を撤去し、躯体だけの状態に戻さなければならないということです。

この点について、ビルオーナー様にとっては、次のテナントも同様にスケルトン状態から内装を始められるというメリットがあります。
一方で、テナント企業にとっては、入居時の内装工事費用に加えて、原状回復工事費用も考慮する必要があるということになります。

スケルトンオフィスのメリット・デメリットをビルオーナー視点で分析

スケルトンオフィスを検討する際、ビルオーナー様から「内装費がかからず安く貸せるから借り手がつきやすいのでは」というお話を伺うことがあります。
確かにスケルトンオフィスには独特のメリットがありますが、一方で意外な落とし穴もあるのが実情です。

私たちがこれまでお手伝いしてきた事例を踏まえて、スケルトンオフィスの現実的なメリット・デメリットを整理してみたいと思います。

スケルトンオフィスのメリット

内装費用を削減できる

ビルオーナー様にとって最も分かりやすいメリットは、内装工事費用を削減できることです。
通常のオフィス仕様にする場合、坪単価10万円から15万円程度の内装工事費が必要になりますが、スケルトン状態であればこの費用は不要になります。

特に築古ビルの場合、既存の内装が古く全面リニューアルするとかなりの費用がかかるため、スケルトンにして貸し出すという選択肢は初期投資を抑える有効な手段とされています。

テナントの自由度が高い

スケルトンオフィスでは、テナント企業が自社のブランディングや業務スタイルに合わせて、自由に空間をデザインできます。
近年、リモートワークとのハイブリッド利用等、企業の働き方が多様化し、オフィスに求める機能も多様化する中で、オフィス空間に対するニーズも個性化が進んでいます。

例えば、クリエイティブ系の企業であれば、スケルトン天井やコンクリート打ちっぱなしの壁を活用した個性的な空間づくりを望む場合があります。

スケルトンオフィスのデメリット

借り手を見つけるのが実は困難

実際のところ、スケルトンオフィスだからといって借り手を見つけやすいというわけではありません。
内装工事の企画・発注・管理をするテナント企業にとって、当該業務は慣れない作業であり、「お金も時間もかかりそう」という印象を持たれてしまうためです。

特に中小企業の場合、内装工事に関する知識や経験が不足しており、「想定以上に費用がかかるのでは」という不安から敬遠されがちです。

家賃を下げても総コストは変わらない

スケルトンオフィスはオーナー側の初期費用がかかっていないので家賃を下げられる反面、テナント企業にとっては内装工事費や原状回復費用が発生します。
そのため、テナント目線でトータルで見ると通常の内装済み物件と変わらない、むしろ高くつく場合も少なくありません。

更に原状回復もついてくるので、退去時にも同様に一定の費用がテナント側に発生します。

これはテナント企業の立場で考えれば当然のことで、結果的に「それなら最初から内装が整っている物件を借りたい」となってしまう場合が多いようです。

セットアップオフィスという選択肢のメリット

スケルトンオフィスの難しさを踏まえると、ビルオーナー様にとって現実的な空室対策の選択肢としてセットアップオフィスがあります。
セットアップオフィスとは、壁やカーペット、天井などの内装工事が完了しており、オフィスとして必要な設備があらかじめ備え付けられている物件のことです。

セットアップオフィスの基本的な仕様

セットアップオフィスには、基本的な内装に加えて、照明設備、空調設備、電気設備などが標準で整備されており、物件によってはオフィス家具まで揃っています。

テナント企業にとっては、契約後すぐにオフィスとして使用できるため、内装工事の期間や費用を大幅に削減できます。
特に中小企業やベンチャー企業にとって、初期費用を抑えながら質の高いオフィス環境を確保できることは大きな魅力です。

ビルオーナー様にとってのメリット

安定した借り手需要

セットアップオフィスの最大のメリットは、テナント側の初期費用負担が少ないので、安定したテナントニーズがあるあというところでしょう。

特に築古や中小のビルを借りてくださる小規模~中規模事業者の方々にとってオフィスへの初期費用はなるべく落としたいということも多いです。

また、そうした事業者にとって、内装工事は慣れない作業であり、時間も労力もかかります。

そのため、最初から内装が整っているセットアップオフィスは、テナント企業から見て非常に魅力的な選択肢となります。

賃料設定を高くできる可能性

セットアップオフィスは、通常のスケルトンオフィスや一般オフィスよりも賃料を高く設定できる可能性があります。
テナント企業にとって、内装工事費用や什器購入費用が不要になる分、多少賃料を高めに設定しても総コストで見ればメリットがあります。

ただ、ここもスケルトンだからセットアップだからと画一的な話ではなく、商圏のなかにある競合ビルやテナントニーズを想定して、自社のビルだったらどちらがよいのか?マーケティングとしてセグメントを切って、ターゲットを絞ることが大切だと考えています。

その前提のうえで、競合をふまえたテナントニーズに合わせたセットアップオフィスを提供すると息が長く、高い商品価値を保ったビル経営ができると考えています。

なかなか「これだけやっていたら良い」みたいな魔法の杖は無いものですね。

一方で、手間暇をかけてビルの可能性に投資をしてあげることで、多くのビルは新しい輝きを持てるとも思います。

もし「ウチのビルはどうだろう?」という方がいましたら気軽にお問い合わせいただければと思います。

「安くていいからお金をかけずに借りて欲しい」の相談と対策事例

築古ビルのオーナーさんとお話をしていると「古くてどれぐらい借り手がいてくれるか分からない」から『安くていいのでお金をかけずに借りて欲しい』という御相談をいただくことがあります。

『内装をなおし始めるとキリがない』と考えているオーナーさんの気持ちも分かるのですが、「安くていい」と言われてもテナント側もどうしていいか分からないし、どの程度のお金がかかるかもわからないものです。

そんなKオーナーの御相談から始まったビルの事例を御紹介したいと思います。

ビルオーナーからの御相談とビルについて

当該のビルは20坪と小ぶりな大きさですが、立地は悪くありませんでした。築年数は写真のように経っていますので、リノベーションをして綺麗にすれば人気がでそうな物件です。

Kオーナー「内装を直し始めるとキリがないので、安くていいし、好きに綺麗にしてくれていいから、そのまま借りてほいのよね」

こんなビルとご相談から始まりました。

テナントさんの立場に立つと見えてくること

「好きに綺麗にしてくれていい」と言われてもテナントさんも困ってしまいます。

多くの場合、「どこに何をしたらいいのか?」「いくらかかるのか?」が分からないことも多いです。

そしてテナントさんの立場に立つと費用は『最初の内装工事』と『解約時の原状回復費』の2つがかかってきます。

結果的に「なんとなくお金がかかりそう」というイメージで足が遠のいてしまうんですよね。

私たちの提案と取組み

そこでこのビルでは『好きにリノベーションでしてよいよ』という条件に加えて、『原状回復不要(オーナーが認めた部分に限る)』と『オーナーが内装工事の補助金を出します』という条件を付けて募集をしました。

これがよかったようで人気物件に!

特に、(やはりと言う方が正しいかもしれませんが)原状回復不要と内装補助金が効いたようです。

実は原状回復不要なので契約解除後はテナントさんが施したナイスなオフィスが残るという大きなオマケつきなんです!

改装事例1:良い感じの床に生まれ変わり!

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オフィスの床をテナントさんがオシャレにしてくれました。

改装事例2:開業されるバーのカッコいい内装

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いいですよね。床も壁も天井もライトもかっこよく仕上げてくれています。

ちなみに元はこんな一般的なオフィスです。

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原状回復も不要なので、こんなよくあるオフィスの1室がカッコイイバーの内装として残ります。

きちんと入退去時にどこまで直してもらうのか(もらわなくていいのか)を契約書に写真や図面などで細かく規定する必要はある、ちょっと裏技のような施策ではありますが、自分で内装をリノベーションしたいというニーズに合わせた空室対策が可能になります。

特に最近は借り手側も一般的なオフィスではなく、自分達の個性を出したいというニーズも増えてきているように思います。

またDIY自体を1つの会社イベントにして、みんなで会社のカルチャーを考えなおしたり、リモートワークからオフィスに戻ってくる社員さんの愛着を産む機会にもなるのではないでしょうか。

まとめ

スケルトンオフィスとセットアップオフィス、それぞれには異なる特徴とメリット・デメリットがあります。
ビルオーナー様にとって重要なのは、単純に「安く貸せる」という視点だけでなく、「借り手にとって魅力的な物件になるか」という視点で判断することも大事だなと考えています。

スケルトンオフィスは初期投資を抑えることができますが、多くの企業にとって内装工事は慣れない作業であり、敬遠されがちなのが現実です。
特に中小企業の場合、内装工事の企画・発注・管理にかかる時間と労力、そして費用への不安から、スケルトンオフィスを避ける傾向があります。

一方、セットアップオフィスは初期投資が必要ですが、借り手がつきやすく、結果的に空室期間を短縮できる可能性が高いとされています。
また、デザイン性の高いセットアップオフィスであれば、通常より高い賃料設定も可能になるケースがあります。

本記事中でもお話しましたが、どちらがよいというわけではなくビルと商圏に合わせた選択が大事だと考えています。

私たちテナワンでは、築古中小ビルのオーナー様向けに、物件の特性やエリアの特徴を踏まえた最適な空室対策をご提案しています。

どちらの方向性を選ぶにしても、最終的な目標はテナント企業にとって魅力的な物件にすることです。

築古ビルでも、適切な企画とリノベーションにより、テナント企業にとって魅力的な物件に生まれ変わらせることは十分可能です。

近年の市場環境を考えると、建築費高騰や働き方の多様化により、企業のオフィスに対するニーズが変化し続けています。
このような状況だからこそ、単純に安く貸すという発想ではなく、テナント企業にとって本当に価値のある物件づくりが求められていると思います。

私たちはビルオーナー様の立場に立って、長期的な収益性向上を目指したご提案をさせていただきます。
空室対策でお悩みの際は、ぜひ一度ご相談いただければと思います。

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