中小ビル100の物語 / / 2585
PV
#66
ダメビル治療3つの処方箋
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ビル再生100の物語_66 ダメビル治療3つの処方箋
前回、「内見時に検討客がチェックするポイント」として、内見客の胸の内をお話しました。建物の良し悪しだけではなく、実にいろいろなことを思い描きながら内見していることがご理解いただけたと思います。
お客さんの頭の中をお理解いただいたところで、「じゃあどうすればいいか?」です。
その1「見た目をきれいに」
やっぱり第一印象ですよね。「男は中身だ!」って言っても、みんな着飾ってるパーティーにジーパンによれよれシャツではやっぱりNGです。
例えば、共用部の電球が切れているとか、チカチカしてる、はサイアクです。
まずは、すぐにできることのひとつとして、「切れている電球を入れ替える」「割れている照明カバーを直す」ことを始めてみてください。
また、DM投函防止用の「空室部分のメールボックスのガムテープ」をやめて透明なテープを貼るか、投函禁止のプレートを買って設置してみるとか、「斜めに傾いている床マットをきちんと置きなおす」とか、こういうところを見直してみてください。
エントランスに置かれた自販機も、ちょっとした壁を立てて目立ちすぎないようにすれば印象もかなり違ってきます。
その2「プチリノベ」
「ダメビル7つの事例」編では、ビルの中のちょっとした残念なポイントがたくさんありましたね。トイレが古いとか、鏡が小さいとか、殺風景、EVの保護マットがヨレヨレで汚れている、壁が手垢で黒ずんでいる、殺風景な蛍光灯、色がバラバラ、やっぱりこれでは「なんか違うよな」になります。
たくさんお金かけなくてもいいんです。要は印象の問題ですので、むしろスタイリスト、ビルで言えば内装デザイナーさんとかに色とかの具合を見てもらって、ちゃんとコーディネートすれば全然見違えるビルになります。
処方箋は、「まず70点を目指す」です。
ウォシュレットなんて自分でも取り付けできます。量販店で買えば2、3万円です。EVの壁マット、張り替えるだけで見違えます。テナントが退去した時にどうせ原状回復するなら、いつも同じ色の壁や床にするんじゃなくて、きちんとカラーコーディネートしたり、照明を少し変えたりするだけで、ぐっとステキな印象になります。
最後。「応対、接客」の処方箋。
内見時にはちゃんとブラインドを開けておいたり、事前に空調をかけておきましょう、ということは以前にもお話ししました。他にも、「節電だから」といってエントランスの照明を間引きしたりすることで薄暗い印象に見えて損しているビルも多く見かけます。残念です。それと、「自分はどこに座るかな」とか、「近くにいいランチのお店あるかな?」などの、建物とは関係ないポイントも内見客は気にしてみています。
だったら、ランチマップを手渡すと喜ばれます。大抵笑います。そんなビルあまりないですから。内見客にはできるだけ多くの情報を提供しましょう。
(接客時の心得については重複しますので割愛します)
募集資料に天井高書いておきましょう。特に天高が高い場合はウリになります。
実際のお部屋にも天井高さやOAフロアの高さを書いて貼っておくのも効果的です。
あらかじめモデルレイアウト用意しておくのもココロをわしづかみです。
以前、実際の室内の床に紙テープでレイアウトを貼ってみたりもしたことがあるのですが、「俺の席、ここかな~」とか、すごい内見が盛り上がりました。
バルコニーがあるお部屋なら、観葉植物やベンチを置いておくと楽しく使っている状況が想像できて効果抜群です。
(石田)
※「ダメビルのトリセツ」は、 「週刊ビル経営」さんの紙面上で連載していた企画です。
新しい話や事例も少し入れていこうかなと思っていますので、本誌をご覧になった方もぜひ。
※「ダメビル」とは、「ボロビル」と違って、立地もスペックも悪くないのに、なぜかテナントが埋まらないダメなビルのことです。
人のビルをダメ呼ばわりするお話で大変失礼いたします。。(先に謝ります・・すみません)